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子ども連れ去りに悪用される「DV支援措置」。子どもの権利条約9条に違反
松野弁護士による国賠報告会
— けいくん (@keikun1522) January 28, 2025
皆さん、本日は沢山の方にご参加頂き誠に有難うございました🙇
また、梅村弁護士、古賀弁護士、嘉田議員、梅村議員、石井議員の先生方までご参加いただいた事に、大変感謝致しております。
池谷准教授も今日は少しのお時間でしたが、またご協力宜しくお願いします。
今日は、松野絵里子弁護士が自ら原告になり、DV支援措置の制度そのものを違法として、某県A市を訴えている国家賠償請求の訴訟の傍聴に東京高裁まで行ってきました。法廷は小さい部屋でしたが、ほぼ満員でした。また、知っている顔もちらほらいまして、逆に私のことを知っている方も多かったです。この界隈は狭いです。
昨年のことですが、作花知志弁護士が、DV支援措置に関する個別案件において、高裁で画期的勝利を得ました。これは大きいです。
ただ、今日の松野弁護士の訴訟は、「制度そのものを違法」とする訴えであり、個別案件での訴えよりも、ハードルが高い困難な訴訟だと思います。判決は3月27日の予定です。
高裁での裁判の傍聴の後は、衆議院第一議員会館の会議室に場所を移して、裁判の報告&DV支援措置制度に関する意見交換会を行いました。
DV支援措置の前に、DV保護命令の説明をします。
DV保護命令は、DV防止法の条文に明記されている正規の手続きです。裁判所の命令に基づいて、DV加害の疑いが強い者を近づけないようにする手続きです。このDV保護命令も、悪用が可能な面があり、問題もあるのですが、一応、制度としては整っています。(繰り返しますが、改善点は多々あります。)
一方、DV支援措置なるものはメチャクチャです。DV被害を受けているものが、加害の疑いのある者から、住所を隠すことによって逃げる仕組みです。これ自体の発想は悪くないのですが、問題は、離婚親権争いに利用され、子どもを連れ去る手段として、悪用されていることです。
全く証拠もなく、子どもを連れて逃げて、隠れることができるのです。しかも、1年ごとに更新すれば、半永久的に逃げられます。
このDV支援措置なんですが、DV防止法にも住民基本台帳法にも規定がありません。しかし、全国の市区町村の全てで実施されています。総務省がやるように通知を出して、全ての地方自治体が従っているのです。法的根拠が曖昧なのに変なことです。
実にいい加減な仕組みです。建前は、市区町村が勝手にやっているのですが、実際のところは総務省の操り人形です。日本の地方自治は、実にいい加減なのです。自治ではないのに、総務省の責任もはっきりしないわけです。
このDV支援措置を悪用されて、子どもを連れ去られた親はたまったものではありませんし、連れ去られた親の代理人弁護士にとっても、とても迷惑な話です。そういうわけで、訴訟になっています。
そもそも、このDV支援措置は、子どもの権利条約の第9条に違反しています。子どもは原則として、実父母から引き離してはいけません。引き離す場合も、双方参加の裁判手続きが必要で、裁判所の許可がいります。また、裁判所が引き離す許可を出しても、原則として定期的な面会交流を実施しなければなりません。しかし、DV支援措置は、裁判もなしに、半永久的に子どもと親を引き離すことが可能なのです。
ですから、子どもの権利条約9条の通りの適正手続きを、国会で立法化しなくてはならないはずです。
今日は、私も地方議員として発言を求められたので、
「地方自治体としては、DV支援措置を国の通知通りにやらないのは難しい。全国どこでもやっているのに、自分の自治体だけやらないとはいかない。また、DV被害者の緊急避難自体は必要である。だから、国会で裁判所の許可を得る適正手続きの立法をして欲しい。
ただ、市区町村でも、DVの可能性が全くなく、保育園の優先入所などDV支援措置の特典だけを受けたい事例に関しては、DV支援措置制度の悪用ということで、措置を認めないことは可能。現実には、措置を認めないことはなかなか難しいが、全く何もできないわけではない。できることを全国の市区町村議員とともに取り組んでいきたい」という話をさせてもらいました。
特に、1年後に延長する場合に関しては、DV被害可能性の一定の証拠を求めることもできるかも知れません。
今日の裁判と衆議院会館での集会は、子どもと会えない当事者(DV支援措置で困っている人を含む)がいて、弁護士・国会議員・地方議員がいて、それぞれの立場で、DV支援措置の問題に取り組んでいくことが確認されました。とても有意義な企画だったと思います。