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「親権の廃止」と同じことを目指している大鹿民法草案(原則共同親権を徹底した民法改正案)

前回の記事で、「親権」の廃止について書きましたが、親権を廃止するには、親権概念を削除する方法とともに、共同親権を徹底する方法があります。

2022年8月に民間の別居親当事者らによって作られた大鹿民法草案はまさに、共同親権を徹底し、親権概念の削除と同じことを目指しています。目指すのは、「実父母が婚姻の有無に関わらず、子どもの養育に責任を持つ社会」であり、子どもの権利条約が規定しているものです。


大鹿民法草案の規定を見ると、以下が大きな特徴であり、親権概念の削除と効果が同じになります。

①婚姻の有無に関わらず、共同親権
②親権喪失を廃止
(実父母は児童虐待などにより、一時的に、場合によっては長期の親権停止を受けることはあるが、親権は喪失しない)
③未成年の子どもに関して、普通養子縁組制度の廃止
(諸外国と同じく、特別養子縁組は残る。この特別養子縁組制度は、実父母の同意と裁判所の許可が必要であり、子どもの権利条約第21条【裁判所の許可なき養子縁組の禁止】とも整合する。
 なお、未成年普通養子縁組の多くは、第9条【裁判所の許可なき親子分離の禁止】と第21条に違反しており、実父母の同意と裁判所の許可を欠くことが多い)


つまり、理論的に正しい共同親権制度を構築すると、親権概念の廃止と同じになり、子どもの権利条約の規定と合致するわけです。


なお、他の団体が作ったものでは、「民間法制審案」という改正民法案もあり、こちらは共同養育計画に強制力を持たせるなど「実務面で優れている特徴」があります。改正案については、これまでに発表されたものをミックスして、よりレベルの高いものに仕上げていけば良いと思います。


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