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みゅんへん

松山市にはJR松山駅のほかに、もうひとつ松山市駅という他所者には極めて紛らわしい市電の駅があって、実は街の中心はその市駅周辺のようなのである。というかJR松山駅には周りに何もない。(*個人の感想です)

その市駅の前にある歴史あるビアホールに。
ここで生ビールと名物の唐揚げを頂くのだ。

生ビールは大ジョッキ(キング)中ジョッキ(プリンス)、小ジョッキ(クィーン)の三種。
コネクタのオスメスにもいちゃもんをつけられる現代のご時世ではいささか危ういネーミングぞなもし。これで超小ジョッキがプリンセスだったらポリコレ的にアウトなのかも、などと。

生ビールのプリンスと唐揚げを注文すると、ウエイトレスさんが
「唐揚げは少々お時間がかかりますが、ビールはすぐお持ちしてよろしいですか?」と。
もちろんです。唐揚げが来る前に飲んじゃったらもう一杯注文しますので。
とお返事すると、ニッコリと頷いて厨房へ。


向かいのテーブル席ではあまりソーシャルディスタンスを意識してなさそうなリーマン三人組が

「ハゲる奴は何をしてもハゲるんよ」
「遺伝だな」
「でもうちのばあちゃんはふさふさなんよ」
「ばあちゃんは大抵ふさふさやろ」
「ばあちゃんでハゲてるのなんか見たことないぞ」

などと真顔で話していた。


テーブルの上にはピッチャーのビールが半分近く残ってて、むしろその深刻な話題よりもそっちの方が気になってしまった。

生ビールをピッチャーで注文する感覚というのが昔からよくわからない。
気は抜けるし、ぬるくなるし、ひとっつももいいことは無いだろう。

ましてや、すぐに飲み干してしまえずに、いつまでもピッチャーの中で放置しておくくらいなら、その都度ジョッキで注文した方が余程美味しいのに。


ややもして届いた唐揚げは想像していたのとだいぶ違って、バスケットに山盛り五つほど乗ってやってきた。いや、これは5ピースといった方がいいのか。


いわゆる鶏の唐揚げというより、どちらかというとフライドチキン、な感じである。
見たところ、ひとつひとつ違う部位を揚げているようだ。
これは時間がかかって当然だなあ、と二杯目、今度はヱビスの黒スタウトを注文して早速かぶりつく。熱々だ。

スパイスの香りがとても良い。これだけ持ち帰りで注文する常連もいると聞くが、なるほどである。

ところで松山市内には至る所に坊っちゃんマドンナのツーショットが設置されていたり、看板やポスターになっているのだけれど、マドンナってそもそもそういうキャラというか存在だっけ??
なんかヒロイン扱いされてるのがものすごく違和感あるのだけれど。ましてや坊っちゃんと並んでまるでカップルのようにまつられてるのは、ちゃんと「坊っちゃん」読んでいるのか?と疑いたくなるぞなもし。

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