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吾郎

ひっきりなしに遮断機の降りる、小田急線の踏み切り前の角地にある、文字通り三角のスペースの立ち飲み焼鳥屋。

狭くて交通量の多い三叉路なのに、何故か路線バスのルートになっていて、切り返さないと通り抜けられないその道を、神奈中バス(東京なのに町田市のバスは神奈中なのである。東京なのに!)の運転手が、踏切を渡る大勢の歩行者の間隙を縫って大きな車体を切り返す妙技に見惚れながら、夕方と言えどまだまだ炎天下の空の下、ぬるいホッピーを呑んだものだ。



いっぺんにたくさんは注文できないので、食べたらその度にまた券売機のところまで言って小銭を入れて食券チケットを店主に渡す、というのを繰り返す。




狭い狭い本当にただの隙間、といった店内の壁側に、申し訳程度のカウンター的な板が張ってあり、そこで壁向いて立ち飲みするわけだ。



そう言えばこの店を教えてくれた女性が
「レバー苦手だったんだけど、ここのだけは食べられる」と言っていた。

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