ブラックバード
ほんの少し開いている重厚な扉から聴こえ漏れてくるのはフィルウッズ。
Alive and Well
「ご注文は?」
ジントニックをお願いします。
「何かかけますか?」とマスター。
それではコルトレーンを。
Giant Stes
ジントニックニ杯目。
レコードの終わりにトイレに立った間にかけられていたのは、バド・パウエル。
Cleopatra's Dream
ジントニック三杯目。
次は、ビル・エヴァンズをお願いします。
「はい。何をかけましょうか?」
では王道を。
Waltz for Debby
スコット・ラファロの奏でる音に痺れる。
マスターが前に来たタイミングで、
家で皿洗いをする時にですね。
「はい」
ビル・エヴンストリオのライブ音源をかけるとなんか捗るんですよ。自分が店の厨房でバイトしてる想像しながら。
「なるほど。贅沢なアルバイトですね」
四杯目のジントニック。
最後はマイルスを。
My Funny Valentine
ひたすら寡黙なマスターと黙ってふたりでパチパチノイズが入るレコードでの音源でひたすら聴き入るだけ。
いやしかし、なあ。
とてつもなくいい夜だったなあ。
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