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マックス・チャン主演映画『狂獣 欲望の海域』がエロかったという話

天は人に二物を与えずというがマックス・チャンは例外のようだ。

この肖像画のように美しい二次元イケメンはなんと実在し、この一見触れれば手折れそうな雰囲気からは想像できないほど打点の高い蹴りを繰り出す。
彼は中国の武術大会で何度も優勝しているカンフーオバケで名をマックス・チャンと言う。

そんなわけでマックス・チャン初主演映画『狂獣 欲望の海域』を名作映画発掘フェスティバル「のむコレ」のオールナイト上映で見てきました。
上映してくださったシネマート新宿さん、MAXAMさん、ありがとうございます(香港映画はなかなか上映されないからね)。

マックス・チャンと言えば『ドラゴン×マッハ』や『イップマン継承』での悪役として有名だと思う。
『ドラゴン×マッハ』ではウー・ジンとトニー・ジャーを同時に圧倒してみせ、『イップマン継承』では【宇宙最強】ドニー・イェンと互角の戦いをしてみせた。
どちらも十年に一本レベルの名作であり、それが全く同じ年に公開された事実を思うと涙を禁じ得ない(マジで)。

そして満を持して公開されたマックス・チャン初主演映画『狂獣』は野獣刑事のマックス・チャンが海の底に沈められた金塊を巡って密輸組織と血で血を洗う戦いを繰り広げる香港ノワールだ。

そんな野獣刑事マックス・チャンは過去に犯人を死なせてしまった経験から犯人を殺さずに捕まえることを指針にしている。
だが犯人を死なせたくない気持ちより犯人を捕まえたい欲の方がギリ高いせいで怪しいやつを見つけたら即刻暴力を振るい、結果怪しいやつが次々死んでいくという狂獣の名にふさわしい暴れっぷりを見せる。
ストーリー展開も基本、怪しやつを見つける→暴力を振るう→情報を引き出す→怪しいやつを見つける→暴力を振るう→情報を引き出すというバイオレンス仕様なので見ていて最後まで飽きない。
とはいえストーリーが特別面白いかといえばそうでもなく、アクションが特別すごいかと聞かれればこれまたそうでもない。
アクション監督がニッキー・リー(ドラゴン×マッハや狼牙のアクション監督)なので期待して行ったのだが寄りの画ばかりで見づらく、ニッキー・リーらしさもあまりなくて少しがっかりした。
だが本作でアクションをする俳優はマックス・チャンに『SPL/狼たちの処刑台』で切れ味たっぷりの格闘を見せたウー・ユエだ。滅茶苦茶凄い動きもあってかなり見ごたえがある。というか、イケメンが打点の高い後ろ回し蹴りとか繰り出すのでかなり興奮した。

とまあ色々とパッションだけは感じる凡作みたいな本作だが唯一凡作ではいられない飛びぬけた要素がある。それはマックス・チャンのエロさである。
本作のマックス・チャンははっきり言ってかなりエッチだ。
まずマックス・チャンを金髪にするという発想の時点でかなりエッチなのだが、本作ではそれだけに止まらず隙あらばマックス・チャンを濡らし、マックス・チャンの前髪をはらりとさせ、マックス・チャンを脱がし、そしてマックス・チャンを濡らす。

拷問するだけでエロい男マックス・チャン

多分監督はマックス・チャンを濡らすことに命をかけており、マックス・チャンも自身を濡らすことに命をかけている。その結果濡れ濡れレベルは展開を経るごとにバイブスを上げていき、終盤で最高潮に達する。
本作は編集もストーリーもところどころ雑なのに香港電影金像奨で最優秀新人監督賞にノミネートされたのも納得のエロさだ。
そりゃ『欲望の海域』なんて邦題もつきますね。

なので『狂獣 欲望の海域』は演出65点脚本65点アクション75点マックス・チャンのエロさ5000万点みたいな映画でした。
マックス・チャン主演に相応しい作品だ。今後も『葉問シリーズ』スピンオフ『葉問外伝 張天志』や『九龍不敗』、さらにハリウッドではスタローンと共演する『大脱出3』も控えているので今後にも期待。ありがとうマックス・チャン。

マックス・チャンとスタローン


あと唐突に動きがキレキレなティピカル=サンみたいな人が出てきて笑った


追記:マックス・チャン初主演映画だと思い、タイトルにそう記していましたがよく調べたら全然初主演じゃありませんでした。お詫びにULTIMATE BATTLE 忍者vs少林寺を買います。大変失礼いたしました。

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