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我が子を看取る⑥ おなかの中の赤ちゃんと話すセッション

この普通ではない妊娠を支えてくれたいくつかのセッションがある。
もしかして私と同じような境遇で、授かった幸せとこの先の未来の間で苦しんでいる妊婦さんがいればお役に立つことがあるかもしれない。
私は限りなく目に見えない存在に助けてもらったから。
信じる信じないはあるかもしれないけれど、自分と赤ちゃんの存在とのつながりを通じて見えてくるものがある。
今おなかの中で動いている命があるのだから、その声を聴いてみるのは個人的にはおすすめだ。だって共に生きている時にしかできないことなのだから。

(前編・後編に分けるぐらい長いですが、よかったらお付き合いください)

対話士さんとは

その一つが対話士さんの存在だ。
実は第一子の時もお世話になった。

本屋さんの妊娠・出産コーナーに行くと池川明先生の本が並んでいるが、その池川先生とも対談したり一緒に活動されていたこともある方だ。

結局どういうことをするのかというと、おなかの赤ちゃんに話しかけて赤ちゃんとの会話を通訳してくれるものだ。霊能者とは違うので、命がこの世に存在していないものについては対話しないのだと思う。その周波数に合わせられる力を持った方なのだ。
ちなみに対話は、無意識に妊婦さんやお母さんはできている(非言語コミュニケーション)と言われているが、今回私は自分の思い込みは省きたいというか・・・はっきりと赤ちゃんの想いを知りたかった。


明かされる赤ちゃんの使命と想い

私が赤ちゃんに訊いてみたかったこと

温かい雰囲気で対話士の山内さんが迎えてくれる。
待合室で少し気持ちを落ち着けたのち、セッションルームに案内される。
セッションの申し込み理由と近況をお伝えする。

  • 現在妊娠6ヶ月(20週)であること。

  • なかなか授からなくてようやく来てくれた存在であること。

  • 現時点の病院の見立てでは、18トリソミーをはじめ、様々な疾患を持っている可能性があると言われていること。

  • 中絶するつもりはないこと。

  • 妊娠当初は忙しくてあまり赤ちゃんに意識を向けられなかったから申し訳ない気持ちを持っていること。

  • 今の職場環境のこと(とても良い職場だが、自分の気質には合っていない)

そしてどんなことを聞きたいか、私の想いを伝える。
想いと共に自然と我慢できない涙が流れ出てくる。

  • 病気の可能性を示唆されているが、なぜその体を選んだのか。

  • やっぱり私は赤ちゃんの声を聞いてみたいこと。

  • なぜ私たち夫婦を選んでくれたのか。



赤ちゃんは・・・こんな人だった

要約すると、赤ちゃんは自分の命をどれだけ輝かすことができるか、ということに挑戦しに来ている魂だった。
優劣をつけない命を生きるということを体験しようとしている。
そのために、私という存在に絶大な信頼を得て、選んでくれたらしい(ありがとう)

赤ちゃんの性別は当時判明していなかったが、そのセッションの頃は「彼」だった。(セッションで性別変更の可能性は指摘されていたが、最終的に赤ちゃんは男の子をやめて女の子として生まれてきた!)
いわゆる何度も修行を重ねてきたオールドソウル(古い魂)のようで、その落ち着きを感じさせる表現がいくつもあった。内面を鍛えて鍛えてきた過去性も垣間見れた(笑)

彼の覚悟と魂の計画を知るにつれて、私の中でもこれがいわゆる普通の出産経験では済まされないという確信を深めていった。

  • いわゆる「普通」ではないという状況で生まれてくるだろう

  • 見る人が見れば可哀想にという感情が先立つであろう姿なのかもしれない

  • もちろん長くは生きられないのかもしれない

それでも、そこに挑戦するという我が子を、私はできるかぎり応援したいという気持ち。もちろんこの世での時間が限られていることは、それはそれは悲しいけれど時間が許す限りは、この子と一緒にいたいという想いだった。

(セッションの始まりとそして一部)

はじめまして。
ママを連れてきてくださってありがとうございます。
今日はあなたのお話を伺いたいと思います。

この方とっても物静かな方ですね。
物静かといっても、大人しいというより思慮深いというか・・人の話をしっかり聞いておられる方ですね。

フジコさんご自身が赤ちゃんのことをどう感じていらっしゃるかわからないけれど、いつもフジコさんの声に耳を傾けているんですって。
フジコさんの声とっても好きみたいよ。
どこにいてもママの声は聞こえてくるから、フジコさんが思うほどこの方は寂しいとか不満だとかもっとかまってという感じではいらっしゃらない。
すごく思慮深くて、あなたを想うことができて、いつもお耳を傾けている。
フジコさんが今どんな様子かいつも想っていらっしゃる。
気持ちの受け方が誠実という方ですね。

だからねって。
最後の自分を見つけてもらった時はこれで自分はやってみようかなと思ったことをやらせてもらえるということにありがたいなと思ったそうです。

自分のしたいということは、チャレンジとか挑戦というのではなく、今ある命を自分がその中に一緒に入ってどれぐらい輝かせること。
それがができるかをやってみたかったし、すべきだと思ったし、それを一緒にフジコさんならみてくれるとわかっていたからって。

フジコさんの生まれ持っているアーティスティックな気質の奥に
“物事がありのまま・そのままとても美しくあったらいいな”
“そのようにみんながあれたらいいな”
と感じるんだけれど、そこに絶大な信頼を寄せて、この方はフジコさんを選ばれました。

自分が命と合体した時に、どれくらい命を輝かせることができるのかそのことが体験できるということをありがたいと思ってお腹にきたそうです。
だから悲しみとか辛さとかそういうことは予測していらっしゃるけれど、今そういう様子ではない。
ゆっくりと進んでいることも承知している。(成長曲線を下回っていた)
ゆっくりいくことを通して、流れるように滑るようにいくばかりではない複雑性。その中には味わい深いものがあって、その味わいというのはママが食べる一つ一つのものがすごくゆっくり自分の中に入っているんですって。

お姉ちゃんの体やフジコさんの体の記憶を比べることができていて、その時の違いをものすごく味わっている。
そんなに違うんだということと、それでもゆっくりとゆっくりと重ねて味わいながら・・・花が開いてまた閉じていくというような繰り返しを全身で感じられるのがまた面白いとおっしゃっている。

自分なんだけど自分の体の隅々を本当に丁寧に経験している。
お姉ちゃんの時の記憶を隣の画面に移して、子宮をスクリーンに移して、自分のことを感じて、後から少しずつ追いかけているような。いずれこうなるんだという動きのことをみながら成長とか生育はこちらの世界のことだけれれど、大きくなるとか生まれるまで何か月という捉え方では全然なくて、今ある自分の体が外から食べ物をいただいて体が大きくなるときにその時に思いも掛けないような美しい光が飛び散るというか・・花火みたいに。そういう一つ一つのことがまるで星の降るようだとおっしゃる。自分のなかに。
人の体の中なんだけど、まだ神様の世界にいるようなそんな感覚なんだそうです。

そんな感覚の中で耳は外に向かってフジコさんの声を拾って、外の様子を拾って、自分の様子を眺めながら進んでいるので、体はゆっくりとだけれど感覚的には毎日はすごく早く動いているような気持ちのことが多いそう、です。

ーーなんだかおじいちゃんみたい(苦笑)

それが私の感想だった。
無邪気な子供というよりは、もっと宇宙的なと言うか・・大きな視点で生きるということを考えてこの世を体験しに来たのだというはっきりとした意図と決意を私はただ受け止めるしかなかった。そしてその大きな計画の中に、私を選び、これだけ信頼してくれているという言葉が正直とても嬉しかった。

今に生きる子ども 未来につながる言葉

成熟した「魂」を持った彼は
「肉体」を得て
「今」という瞬間、その美しさを味わっているようだった。

自分の体の隅々を本当に丁寧に経験して、私が食べたもののエネルギーが自分の肉体に入っていく様子や、ゆっくりだけれど自分の成長プロセス全てが喜びらしい。
もちろん彼も生まれることは望んでいるけれど、その先「どれだけ長く」ということは、あまり彼にとっては大切なことではないようだった。

精神が先に到達していて、ついてこない肉体さえも愛おしく味わっているような我が子(笑)それをもっと生きるということへのパワーに繋げていくためにも、
「ママにあなたを抱っこさせてね、待ってるよ」というような未来につながる言葉や、家族との関係性を感じさせる言葉で、私は彼との関係をもっともっと育む必要がありそうだ。



なぜ私をママに選んでくれたのか

ふと二人目を考えるようになり、その後不妊治療に至った。
そういう気持ちになったのは赤ちゃんのせいだったのか・・。
不妊治療で卵がいけなかったのか、とか少しはネガティブなことを考えてしまいそうな中、赤ちゃんからママに選んだ理由を聞けた時はホッとした。

ただお姉ちゃんと一緒でないことはよくわかっている。
自ら選んだかというとそうではないみたい。
卵がそうだったかというと、そういうわけではないみたい。

自分の人生のレッスンというか一つに
“優劣とかをつけない”
“そういう命を生きてみる”

これをやるということは卵に入る前に自分で今回やろうと決めていたそうです。
それにピッタリなタイミングまで待つんだと思っていたそうです。
どちらからというと赤ちゃんの魂の計画主導で体が動いていっている感じ。
だから卵が変化についていけるものだった。
お迎えする側としてはとても丁寧に関わる必要があるということについてはわかっていらっしゃったみたい。
それがわかるのはママしかいない。それができるのはママしかいない。
美しい命そのものの姿を見ることができる人でないと一緒にはできないと思ったから、フジコさんの中に入りました。
選んだ理由はフジコさんの存在だけど、パパの力は生き延びていくというエネルギッシュなものを感じていたから、だから最後まで待てました。
最後まできっと迎えてくれると思っていました。
待っていて、そして信頼を寄せていた。

お迎えにきてくださるということをずっと信頼していられたのは、フジコさんが待っててくれたからだそうです。
あなたの中にある“美しいものを美しいものとして。そのものを見る目”
それがその方にとってはとても必要です。

だから毎日静かにママを見守っていらっしゃる。
動きすぎず。生き急がず。


赤ちゃんからのリクエスト

性格が私に似て遠慮がちだった。言うのは悪いことじゃないのよと対話士さんに促されてポツリポツリと彼の希望が聴けた(笑)

  • 仕事中はできるだけ静かにしているみたいなので、終わったら声かけてほしい

  • お食事の時間がとても楽しみです。特にお魚が好きです。お肉はちょっとエネルギー的にびっくりします。カレーがまた食べたいです。(彼の過去生にインドの修行僧時代がある)

  • お風呂(ゆったりとのんびり入られていて、フジコさんが気持ちいいなと感じるところが二重に感じられるそうです)

  • おなかの写真を撮ってほしい(あれ?私の趣味知ってるのね)

  • 抱っこしてほしい(おなかに手を当てる)

  • パパはお仕事忙しいですか?(忙しい夫のことがちょっと気になる)


赤ちゃんと対話士さんからのメッセージ

(1)自分自身にも声をかけて 労って

確かに一番後回しになってしまうことだった。
周りは当然事情も知らないから、労うのは自分しかいない。

今お互い必死で結び合って、必死でやってらっしゃるから、どうかそこを大切にしていただきたい。
出産となったら、出会えてよかったということ、お互いよく頑張った、フジコさんのご自身もよく自分の体も受け止めたと労ってあげてください。
とても貴重で希少なことを経験されていますから、どうかお胸を張って。
大変なことはたくさんあると思うんだけれど、フジコさんは命の元にある美しさを感じ取れることができる方だから。そのことをいつも忘れないで。
赤ちゃんに「命の美しさ、尊さををいつも感じてるよ」とお話しくださるだけでなく、ご自身にも同じく声をかけてあげてくださいますか。
それがあるから生きてこられたということを。

(2)正確な病状について

内緒

・・・言わないの。
ただ手はかかると思います。
病名まではわかりません。
ただ赤ちゃんからかえってくる答えは、とても難しいということ。
難しいというのは、挑戦しがいのあるという風に受け取っていただいて。
だけど命を続けて行こうとするこの方の熱意と意欲はすごくあるから、そこを信頼してお声かけてくださるといいなと思います。

(3)病院から今後産み方や医療介助の選択を迫られる件への対応

ママの気持ちで決めていい

その時はママが一番落ち着くことでいいよって。
自分はあまりこうして欲しい、ああして欲しいはあまりおっしゃらない。
そのことよりは、自分のお気持ちはどうなのか。
ーーもちろんすぐ決断できないときはまた聴きにきてください。

(4)私の仕事について赤ちゃんからの見解

ママが気の毒って心配してくれている(ありがとう)

この方は、みなさんのことをとても愛しています。
とても愛しているし、ママのお腹の中だからこそ来られたことを誇りに思う。
ママの魂はいつも輝いていますって。
だからお仕事で泣いてしまうような、情緒のないところにママがいるのは本当に気の毒と思っている。

ちなみにこの件について補足すると、実際、長年勤めていたこの会社もいつかやめたいと思っていた。やりがいを感じる生き方ではないが、環境としてはとても恵まれていて、辞めるほどの勇気も他にやりたいこともないことを言い訳にしながら、決断できずにいた。ただ赤ちゃんが来てくれたら仕事休める!って打算的な気持ちで結論を出すのを後回しにしていた案件だった。

気持ちというのも体ですから・・体は元気ですけどではなく、気持ちと体があってこそ体が生きられるので。
外にエネルギーを使わず、自分に使うことを私はおすすめしたいですね。
美しいものをたくさんみたり、そういう場に行ったり、たくさん空気を吸ったりして 英気をいただいてきてもらいたい。この方にとってもすごくいい。
命の息吹と触れ合うというのがとても大事です。

気持ちがゆったりしていないのは、当然のことながら赤ちゃんには筒抜けだったのだ。ごめんね。

(5)性別について

セッション中は男の子でしたが変更の可能性あり(笑)

あー僕とは何度も言っていたけどね。
もしかしたら途中切るかもしれない。8ヶ月ぐらいまでは変えられるからね。
女の子の方が命の伸び代があるからね。(性別を)変えることがあるかもしれない。

(6)どれぐらい生きる予定?

未定。生まれるというところがまずは目標。

ここから先、いただいた卵さんと大きくなっていくことで生きてみるということに一生懸命になっておられるけれど、その先に一応生まれるということも計画の中にあられるようです。
生まれた後こうしたいああしたいというより、まずそこまでいってみる。
それから、そこに到達できるということはこの方にとっては、大使命みたいなところがあって、生まれてから生きていくということはすごく熱望している。だから熱望する彼の意欲を支えるにも、声をかけて、美味しく召し上がって、待ってるからね、と声をかけて。


赤ちゃんからの謝罪

他に伝えたいことある?と最後に対話士訊かれた彼から出てきた言葉。

これは命の物語を二人で生きているけれど
悲しいも思いさせちゃうね
ごめんなさいって
でもママのせいでもない
パパのせいでもない
誰のせいでもない
みんなでこのことに取り組もうねって約束しただけ
それを一番に僕が手を挙げただけ
君がやってみるかいって言われてやってみますって言っただけ
だけど悲しいおもいさせちゃうね
そのことはごめんねって
ママは僕の声をいつも聞こうとしてくれる 
わかってるって嬉しいって
だから抱っこを頼みますって

私は最後のメッセージを涙ながらに受け取った。
彼から「ごめんね」と言われて、なんとなく救われた。
そして仕方ない、頑張ろう、って思えた。


セッションを終えて

赤ちゃんからの言葉を聞けてよかった。
本当にその一言に尽きる。

信じられない人もいるかもしれないし、それでも私はこの出来事を否定されたくなかったからこの話は今まで自分だけのお守りにしてきた。
彼の意志、そして赤ちゃんが私をママに選んでくれた理由、それを知れただけでもずっとずっと頑張ろうと思えた。

そういえば、それまで私が読み漁っていたのはブッダの本。
「いいことも悪いこともわからない(意味付けするのは自分)」
「起こってもいないことに心を煩わせても仕方ない」ということを学んだ。
それもこれも赤ちゃんが読ませてくれたのかも知れない。

それでも私は精神面がついていかないこと。
一方で赤ちゃんは肉体面が追いついていないこと(笑)
お互いそれを助け合い、必死で味わっているのだということ。

赤ちゃんが「今」を一生懸命に生きていること。
そして私もベストを尽くすなら「今」しかないこと。

今日の分の涙は流し切って
明日からの身の振りを考えることにしよう、そう決意できた時間だった。

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