我が子を看取る④ 染色体検査と親の反応
なぜ染色体検査を受けなかったのか
妊娠初期の段階で、胎児の浮腫(NT)が確認されると、疾患や先天性異常の可能性が認められるため、羊水検査での染色体検査についての情報を病院が積極的に提供してくる。高齢出産にあたる私は、当然その検査のことも、年齢による先天性異常の可能性の高さについては妊娠前から知っている。
だけど検査は受けなかった。
結論は自分の中で決まっていて、障害があろうとなかろうと産むと決めているからだった。事前に検査して異常を確定されることの一番のメリットは妊娠の継続の有無を決める要因になるということだ。病院側は事前に対策が打てる(病院の選定や医療方針など)ことも挙げてくれたが、そのためだけに10万円以上の検査費用を払う必要性を私の場合は感じられなかった。
夫の反応
もちろん妊娠の中断については夫婦の考え方、それぞれ。
私たちの場合は、私たちのことを選んで来てくれた赤ちゃんにお別れすることはできないということで一致していた。
夫には感謝している。
結論は決まっていても、実際のところ完全に健康とは言えない赤ちゃんを迎えることへの不安は無くならない。第一子への影響、家族の生活の変化、何より自分達の価値観の転換と共に、常に予測できないことへの対応をし続ける子育てになることは間違いないからだ。
どんな感情についてもお互い話し合えるのはとても大きかった。
一番の味方でいてくれて、一番の理解者だった。
どんな未来が待っていようとも、この人となら一緒にやっていける。
そう再確認できたのは私にとって、とても大きいことだった。
義父母と実父母の反応
夫婦ではどんな赤ちゃんも私たちの可愛い赤ちゃんという大前提だったけれど、自分達の親はどんな反応をするか、それを次に予測してみた。
義父母は、最初は驚くだろうけれど最終的に受け入れてくれるだろう。
生活が大変になることも心配してくれるだろうけれど、絶対存在自体を受け入れてくれると想像できた。
一方で自分の両親のことを想像する。
父はどんな子でも大丈夫って言うだろう。
だけど母はわからなかった。
産むのも育てるのも私たちだから決断に意見させる余地はないけれど、心から可愛がっている様子は・・正直思い浮かばなかった。
毒母の反応
実際、同居している実母(かつ毒母)に、現状を伝える。
赤ちゃんは既に成長曲線の基準値よりも小さいこと。疾患を持って生まれる可能性が高いこと。
・・・想定された反応だった(まあ、わかってたけどね苦笑)
あの時言って欲しかった言葉
ーー大丈夫なの?
それが私が一番嫌いな言葉。
毒母は昔からそれしか尋ねてこないが、私だって未来はわからないのだから大丈夫かどうか分かりようがない。だから私はその言葉が毒母の口から吐き出される度に、私はイラつきとため息しか出ない。
親に言ってもらいたい言葉はそれじゃない。
私が欲しい言葉は「きっと大丈夫よ。応援するから」
ちなみに理想の言葉はこれまでの人生で一度も聞けたことはない(苦笑)
それ以降私は赤ちゃんの状況について母に報告することはなかった。(同居してるけど)
毒母もその後赤ちゃんの様子を訊いてくることもなかった。(同居してるけど笑)
おそらくこの時点で私と毒母の決別のシナリオがスタートしていたのだと思う。
仮に毒母がそのことについて誰かから訊かれたとしたら、「私だって心配はしていたわよ」と言うだろう(現に産後の戦いでそう言い訳していてた 笑)
だけど相手に伝わらなければ意味がない。
それに私は、長いことアダルトチルドレンとして生きてきて、親の考えていることなんて手に取るようにわかる。毒母は二人目の孫を望んでいた。第一子は可愛いし、またセカンドライフで子育てしたいとまで話していたからだ。ただ赤ちゃんに問題があるとしたら・・毒母にとって話は別なのだ。
毒母はこの妊娠を応援なんてしていない。私が妊娠の中で抱え続ける感情や苦悩も、毒母にとっては一切関係ないことなのだから(苦笑)
覚悟は既に決まっていた
こうして私は赤ちゃんの命を守ることを決めた。
いや色んな状況があったけれど、もう決まっていたという感覚に近い。