
〈事故〉お兄さんの車のミラーに、車をぶつけてしまった。リアルなやりとりを晒す
完全なる私の不注意。
こんなこと初めてで、頭が真っ白しろになってしまった。
狭く混雑している道で、右折レーンに入ったら
「ゴン」て音がして、
直進レーンにいた車の右ミラーに、自分の左ミラーを当ててしまった。
「何の音だーーーー私かーーー!?」
と思わず叫んだが、私だった。
夢だと思いたかったが、全然現実に私がやらかした音だった。
窓を開け、お相手に
「ミラーをぶつけてしまいましたスミマセン!」
と我ながら元気良く(?)報告したら
「左に寄せて停まって」
とご指示いただいた。
サングラスをかけたイカチィお兄さんだったので、スッピンの黒縁メガネ女(私)は一瞬にして緊張した。
もはや「左に寄るってどうするんだっけ。」というレベルにまでパニックしていたが、なんとか他の車の邪魔にならない所まで移動が成功。
私の車の後ろに、これまたイカツイ黒い車を停めたお兄さん。
まずは直接謝罪すべく、車を降りて近くまで歩いていったのだが、お兄さんは運転席で電話をしていてこちらを見てもくれない…
これは、相当にお怒りに違いない。
そりゃそうだ。大切な車にぶつけられて…
左腕にガッツリ入ったタトゥーが…カッコイイですが…なんだかビビってしまいますスミマセン。
車に戻ることもできず、モジモジしながら外で待っていたが、めちゃくちゃ寒くなってきて、
電話が終わったお兄さんに
「すみませんでした…警察に電話します…」と色んな意味で声を震わせて言ったら
「今しました」…と。
警察に電話してくれていたらしい。
被害者なのに、手際の良さよ。
ソウデシタカ…スミマセン…。
アリガトウゴザイマス…
もう、どんどん小さくなる私。
せめて化粧してコンタクトレンズ入れていれば。
ボサボサ女にぶつけられるよりは良かっただろうになぁ。(たぶん全然関係ない)
車から降りて来ないお兄さんに、
「ぶつけてしまい、すみませんでした。傷を確認していいですか?」と尋ねると
「見たけど傷はないス。まぁでも一応警察には連絡しないと」
とのお答え。
傷がない!?
確かに車にスピードは出てなかったけれど。
目ん玉ひん剥いた形相で、お兄さんの車の右ミラーを前後左右、上から下からガン見しまくるボサ女。
どこかに小さい傷でも無いものか!?
小さい音とはいえ「ゴン」って鳴ったのに。
傷が…見つけられない…!!
「ミラーの開閉に問題はないですか?」
「ないスね」
本当に!?!?!?
そんなサラッと!?
そんなこんなで警察官がお二人到着。
お兄さんも車から降りてきた(寒いのにゴメン)
記入してくださいと言われた書類に、名前生年月日住所、職場の情報を記入(社長、ゴメン)
そして免許証を渡す。
警官「自賠責保険証を見せてください」
え…自賠責保険証…??何それ(パニックゆえにわからなくなっている)
ダッシュボードからファイルを取り出し探すが、謎に色んな書類(東京海上日動)も挟んでしまっているため、どれが大切な書類なのかわからない。
「自賠責保険証が…わかりません…泣」
と、分厚いファイルもろとも警察官に渡す私…
それをみてお兄さんは何と思っただろう(恥)
無駄な書類をかき分けて自賠責保険証を見つけてもらい、そのあたりで警察官に言われた。
「お互いの電話番号を交換してください」
なんかもう、自分はいいけど、お兄さんまで警察官に個人情報を書かされて
見知らぬマヌケな女に電話番号を知られて…
あぁ、想像すらしていなかったけれど
こんなにもこんなにもこんなにも、申し訳ないことだらけだなんて。
「スミマセン…電話番号を交換させてください」
そう言うと、お兄さんは電話番号を口頭で教えてくれた。
その番号に電話をかけ、お互いに登録。
「名前は?」と尋ねられ
「〇〇バナナです…お名前伺っていいですか」
「まさき」(当然仮名です。わかるか)
…まさきサン…とは、
ファーストネームなのか
ファミリーネームなのか。
いや、どっちでもいい。
もしかしたら本名を知られたくないから、偽名なのかもしれない。
だとしたらなんて賢い人なんだ。
ブラボー。
まさきさんは、スッ…と車に戻り、警察官と私のやり取りが終わるのを待ってくれていた。
本当に傷がないのか自信のない私は警察官に
「傷は無いしミラーの開閉も異常はないと言ってもらいましたが、本当にそうか自信がありません。お手数ですが、確認いただけませんか?」
とお願いした。
警察官の1人が見に行ってくれて、ぶつかった部位を見てくれたが、「特に傷も他の問題もなさそうです」…と。
「お相手も傷が無いので修理は必要ないし、保険も使わないと言っていますよ」…と。
まさきさんの車に傷が無くて、これ以上のお手間をかけさせずに済みそうで、本当に良かった。
寒さと緊張と自己嫌悪と申し訳無さでブルブルしていたが、ここでようやく
「傷はついていないのか」と思え、ブルブルは3割減となった。
警察官が、事故を起こした詳細な住所と時間、管轄の警察署と電話番号と担当の警察官の名前を教えてくれ、それをメモした。
後から不具合が生じた場合は、まさきさんから直接電話をいただき、保険会社を通じてやり取りをしてくださいね…と教えてもらい、そして
以上です。
と、なった。
もう一度運転席のまさきさんに、
「この度はご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした」と言うと
「まぁ何かあれば連絡するんで。気を付けて運転してください」
と、サラリと返事をしてくれた。
ペコペコする私に会釈を返してくれて、まさきさんはイカツイ車を軽やかに走らせてあっという間にいなくなった。
警察官も、それでは〜と爽やかに去っていった。
残された私は
「もう運転したくない。全てを忘れて一旦眠りにつきたい運転こわい自分が馬鹿で嫌い」
となり、だけど道路の端っこでウダウダしてたら余計に迷惑になるので
なんとか目的地のスーパーの駐車場まで運転をした。
免許取り立ての冷や汗かきかき運転した初心者マークの時と同じ気持ちだった。
その後すぐに保険会社に連絡をすると、
「今後もしもお相手からご連絡があった時にスムーズな様に」
と、対応受付をしてくれた。
「特にその後に何もなければ、等級も変わりませんし、この受付も解除されますので大丈夫ですよ。お相手からご連絡があった場合のみ、またお電話くださいね」
その他にも労う言葉をたくさんかけてもらい、私の心のHPはホイミくらい回復した。
保険会社の神対応に感謝し、買い物もそこそこに
また冷や汗をかきつつ家に帰ったのだった。
数日後、悩みに悩んだ挙句のその向こう側の、果てしない闇の向こうにohoh手を伸ばした私は、
意を決してまさきさんに電話をした。
謝罪の電話をかけるのが常識かもしれないし、
でも、まさきさんとしては特に何も用もないのに事故の相手から電話がかかってきたら面倒くさい(または怖い)かもしれない。
不快な気分を思い出させる失礼な行為かもしれない…
でも、気持ちは済まないし、本当に大丈夫だったか気になる…ということで電話をかけた。
失礼の無いよう、謝罪の言葉をカンペにして。
が、お出になられなかった。
都合がいいかもしれないが、私はこれを
まさきさんの優しさだと思った。
忙しくて出なかったのかもしれないけれど、
出ない事で、反応しないことで、この件もうおしまい。と伝えてくれた様な。
(ホントに都合のいい解釈かもだけど)
ぶつけてしまった時は、イカチィ車とサングラスと左腕を埋めるタトゥーのまさきさんにビビり倒し、
どう謝ればいいのかパニックだったが
まさきさんは冷静に指示を出してくれて警察に電話してくれて、傷もミラーの動きも大丈夫だと事も無げに言ってくれて
サングラスで終始表情や感情はわからなかったけど、イライラした様子も見せずに口調もトーンも一定にやり取りをしてくれた。
普通にめっちゃいい人で優しくて頼りになるかっこいい男性だった。
見た目で先入観があった自分をもう一度心の中で罵って、安全運転を誓う私。
すみませんでした、ありがとうございました。
ずっと忘れずに、運転気を付けます!!
事故を起こすと、想像以上にパニックになります。
それこそ、車を左に寄せるってどうすれば…レベルに。
ありきたりですが、まずは冷静に、安全に、ゆっくりでいいから慌てずに行動することが大切だと思いました。
安全な場所に移動をし、怪我がないか確認し、
どんな事故でも警察に連絡する。
当たり前だけど、パニックになると頭から必要な事がスッポ抜けます。
警察に連絡
免許証用意
自賠責保険証を用意(私は探せなかった)
必要なら保険会社に電話…
必要な電話番号は、メモにまとめておいたほうがいいかもしれない。
だってパニックになると、頭から必要な事がスッポ抜けるから!!!
…そんなこんなの、人生初事故。
もう二度と起きませんように。
皆様も、どうか、お気をつけくださいませ。