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[Director’s Note] ジュリアス・シーザーくん

【きらり夏休みWS成果発表会に寄せて】

……今よりのち、いつの世にも、我らの手になるこの崇高な場面は、しばしば繰り返し演じられることだろう、いまだ生まれざる国々において、いまだ語られぬ言葉によって……(シェイクスピア・作/福田恆存・訳『ジュリアス・シーザー』より、キャシアスの予言)

 『ジュリアス・シーザー』は、イギリスの劇作家ウイリアム・シェイクスピアが400年以上前に書いた戯曲で、将軍ジュリアス・シーザーの暗殺とその後に起ったローマの混乱が描かれています。

 この劇でシーザーが口にする台詞「ブルータス、お前もか!」は、テレビCMなどでもパロディーとして使われているのでご存知の方もいらっしゃるかと思います。

 このワークショップでは、戯曲『ジュリアス・シーザー』の主要登場人物であるシーザー、ブルータス、アントニーの“言葉”や“振る舞い”と、それに振り回される民衆たちの“心の動き”に着目し、身近な題材(それは学校の教室であり、クラス委員を決める学級会なのですが)にそれらを置き換えて15分程度の短い場面を創作しました。題してW・S『ジュリアスシーザーくん』

 シェイクスピアを始めいわゆる“古典戯曲”と呼ばれる物は何百年も前に書かれたにも関わらず、今も世界中で上演され続けています。何故でしょう。

 それは、古典戯曲が現代の私たちにとっても切実な問題を描いているからに他ありません。では、制服を着た日本の中高生である“私たち”と、シェイクスピアが共に感じる切実な問題とは何か?

 そういうことを一緒に考え、上演したいと思います。

 本日は御来場ありがとうございました。

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