一期一会シリーズ第二弾”Nostalgia”

豊明一期一会シリーズ第二段は弊社が初めてトライした生酛です。
杜氏と製造計画を立てるにあたり、今期はどうしても仕込みの量を制限せざるを得なかったのですが、発注してしまった米は使わなければならない。(酒米は基本的に受注生産なので、前年に発注依頼をかけます。)しかし、今期は在庫過多な状況で、レギュラー商品を仕込むには多すぎる。そこで生まれたのがこの『一期一会シリーズ』なのです。

第二弾である”Nostalgia”も杜氏に「生酛でもやってみる?俺経験ないけど」と半ばノリで提案してみたところ「良いっすよ!やりましょう!」と快諾?してくれたので仕込んでみる事にしました。
しかし、ほぼ未経験の生酛だったので教科書を片手に、毎日試行錯誤を重ねて仕込みました。かなり特殊な経過を辿り、僕としてはものすごくレアな体験と味わいになりました!杜氏は冷や汗かいてましたが・・・w
以下杜氏よりコメントをもらいました。

ー中束(なかまる)杜氏よりー
『生もとやってみる?』という社長の軽いジャブのような言い方で提案されたのが切欠だったと思います。
生もと造りは人生で一回だけ経験がある程度。知識や経験も少ない状態からのスタート。不安は大きくありましたが、それよりも、どんな酒質を目指そうかワクワクした気持ちのほうが強かった気がします。
まず最初に関係各位の皆様に直接お電話をしてご助言を頂きました。本も読み漁り、動画を見て(便利な時代ですね)、とにかく情報を収集しました。造り中なのに…(笑)
”酒造期中に造り方の変更をする”というのも初めての経験でした。このフットワークの軽さが石井酒造の強みなんだなー、と実感した瞬間でもあります。

『新しいことに貪欲的に取り組む 失敗を恐れずチャレンジし続ける 

これが私たち蔵人にとって『豊明 一期一会シリーズ』への取り組むべき姿勢なのかな と思いました。そして、その結果の先が皆様の満足いただける酒になっていることを切に願っております。

酒母期間29日   モロミ期間29日
約2ヶ月かかりました。

酒母後半で泡無し酵母のはずが泡が大量に発生し(これ、話してもいいのかな……苦笑)、一時はどうなることかと心配しましたが、モロミ中期では苺のような果汁感溢れる香りが多くでてきて、なんとか面白い酒質のお酒が出来たと思います。
今季最後の仕込みとなったお酒です。今季の集大成となるお酒です。来期はどのような酒質でお届けできるかわかりませんが、今季の一期一会をお楽しみいただきながらお待ちいただければ幸いです。


とのことです。醪の段階では、イチゴのパンケーキみたいな香りと味わいのお酒でしたが、搾ってみると果実感のある爽やかな酒になりました!本当は火入れしてから少し寝かせて出そうかなと思ってたのですが、この面白いお酒を皆さんにも味わってもらいたいと思い、リリースします!
中束杜氏曰く、「次はもうこれつくれないっすよw」と豪語する自信?作です!二度と生まれないまさに”一期一会”なお酒を今回もお楽しみいただければ幸いです。

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