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旅のお守り、ガイドブックが手に入らない? 【ポルトガル旅行 準備編4】
今回の旅は、初めて現地SIMを利用することにした。
もし設定が上手くいかなかったり
何らかのトラブルで使えなかったりした場合は、
これまで通りガイドブックを頼りに街歩きすればいいと思っていたが、
そのガイドブックが手に入らない、というプチトラブルが発生したのだ。
ガイドブックは写真メインのもの、情報量重視のものなどいろいろあるが、ツアーではなく個人手配で旅行をする時には、
やはり「地球の歩き方」シリーズが秀逸だと感じている。
しかし同シリーズ唯一の欠点は、豊富な情報量に比例して
本の厚さと重みが増えてしまうということだ。
「必要なところだけ切り取って持って行く」という人もいるが、
私はそこまで大胆なことはできない。
現地SIMがどうであれ、いずれにしても
何らかのガイドブックは用意しておきたいと思った。
図書館でガイドブックや関連の書籍を借り、一通り目を通したところ、
「歩き方」の姉妹版「aruco」の出来が良く、
私が回ろうとしていたリスボン、コインブラ、ポルト3都市の情報も
網羅されていたため、「aruco」ポルトガル版を持って行くことにした。
ポルトガルは、ハワイなどと比べるとまだまだマイナーな目的地。
「aruco」ポルトガル版も奥付を見ると2020年1月となっている。
ということは、掲載されている情報は19年までのものと考えていい。
今から4年前の情報だったが、
ガイドブックをまるきり持たないのはやはり不安。
「×××にはどうやって行けばいいのですか」とか
「どのレストランがおすすめですか」とか
現地の人との交流が楽しめればいいのだが、
いかんせん、そのような語学力とコミュ力は持ち合わせてはいない。
だからガイドブックは、私にとって「お守り」でもあるのだ。
しかしその「お守り」を手に入れることは容易ではなかった。
発売から数年が経ち、メジャーではない目的地ゆえに
新版が出る目途も立っていない。
大型書店やアマゾンでも、ことごとく売り切れ。いわゆる絶版状態だった。
ここにきてガイドブックが手に入らないなどとは、全くの想定外だった。
紙の本が手に入らなければ電子版を買えばいい、という考えもあるが、
あいにく私は根っからの紙好き。
紙の場合、付箋を貼ったり自分のメモや印も書き込んだりできる。
旅を続けるうちにボロボロになっていくのも、
いかにも苦楽を共にしてきた「相棒」という感じがして、
今風に言うと「エモい」。
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「aruco」ポルトガル版は見つけられなかったが、
「地球の歩き方」ポルトガル版は各所でまだ在庫が確認できた。
最終的には「歩き方」を購入するまでなのだが、
幸い出発まで1カ月以上ある。
中古品市場に出回っていないかと、ブックオフやメルカリを毎日チェック。
ちなみに、アマゾンの中古はやたらと強気の価格だったので、
早々に対象から外させてもらった。
毎日チェックしていると分かったことだが、
ポルトガルのガイドブックは
意外にもぽつぽつと出品、入荷されていることと、
それらは非常に足が速いということだ。
「中古のこのクオリティで、この値段はちょっとな」
と躊躇している間に、売れてしまうということを2回ほど繰り返した。
早々売れるわけがないと、のんびり構えている場合ではなかった。
こんなにも同じタイミングでポルトガルのガイドブックを
手に入れたい人が集中するとは考えにくく、
もしかしたら業者が買い集めているのでは? などと邪推してしまう。
真実は分からないが、商品との出会いは一期一会、
次に見つけたら即購入を固く誓ったのだった。
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ここからはガイドブック後日談であるが、結論を言うと
ブックオフオンラインで「入荷待ち設定」をしていたおかげで、
中古の「aruco」が手に入った。
サイト上ではコンディションを示す記載が見つけられなかったので、
提示された価格が妥当かどうか判断できなかったが、
プロが一定の基準で値付けしたものなので、
めちゃくちゃな商品は届かないだろうと信じて購入。
こうして旅の1カ月前になって、念願のガイドブックが手に入った。
取り外しができる地図(というか、既に取り外されていたが)に
宿泊予定のホテルやネットで仕入れた情報などを書き込んで、
オリジナルの地図を完成させていく。
書き込みが増えるにつれ、私の旅への期待が加速していくのだった。