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海外航空券購入のベストタイミングは?【ウィーン旅行準備編2】

航空券を探すのは楽しい。
スカイスキャナーで適当に行き先を入力して
あれこれと想像を膨らませるのは、
鉄道好きな人が時刻表や路線図を眺めていても飽きないのと
多分同じ感覚だろう。

今回のウィーン行き(24年9月予定)も
まずはスカイスキャナーで検索するところから始まった。
私にとって直行便の利用は費用面から現実的ではないので、
今回も乗り継ぎ便を利用する。

検索結果に表示された数ある選択肢の中から
①乗り継ぎ時間(慣れていないので最低2時間は確保したい)
②到着時刻(見知らぬ土地に暗い夜に到着するのは不安)
③運賃(安ければ安いほどありがたい)
④航空会社の統一(遅延対策)
などを考慮し、自分なりの最適解を導き出すと
エミレーツ(ドバイ経由)とターキッシュ(トルコ経由)
が最終候補に残った。

ちなみに値段だけで比較すると、中東などを経由するより、
中華系の航空会社を利用して
台湾や北京を経由した方が圧倒的に安くなる。
けれど私には「飛行機に乗った時点で海外旅行気分を味わいたい」という、
ささやかなこだわりがあり、中華系エアライン案は早々に却下した。
それに、久々にエミレーツに乗ってみたいという思いもあった。

話が脱線してしまうが、
エミレーツは過去にマルタ共和国に行く際、一度利用したことがある。
当時の私は航空会社や使用機材にこだわりはなく、
たまたま就航していたのがエミレーツだったのだが、
その印象はいい意味でとても強烈だった。
飛行機の中にバーカウンターがあることを初めて知ったし、
先が見えないくらい遠くまで座席が並ぶ機内を見て
「なんて巨大なんだ体育館がすっぽり入りそう」と
思ったのを今でも鮮明に覚えている。
そのエミレーツに、もしかしたらまた乗ることになるかも
と思うとちょっとわくわくした。

オペラ座脇の通路

スマホのフォトアルバムの2月頃に
スカイスキャナーの検索結果のスクリーンショットが残っているので、
この頃には早々と航空券探しを始めていたことが分かる。
なおかつグーグルドキュメントには次のようなメモを残している。
<エミレーツ>
メリット 燃油込みで往復16~17万程度
デメリット 復路の乗り継ぎ時間がタイト(約90分)
<ターキッシュ>
メリット 現地到着/出発時間がいい、乗り継ぎ時間に余裕あり
デメリット 燃油込みで往復20万超え

エミレーツは費用の面でも魅力的だけど、
万一遅延で乗り継ぎに失敗したら?
いやいやこうして販売されているということは
理論上90分でも十分乗り継げるということでは?
それにエミレーツ同士の乗り継ぎだから
遅延してもなんとかなるのでは? 
予定通り帰国できない場合、問題なのは仕事、
ぎりぎりの人数で回りしているので、休むと相当厄介だな。
思いは入り乱れる。

ともあれ、いつでも予約できるよう、
長い間使っていなかったエミレーツの
会員番号と暗証番号を復活させておいた。
もう気分はエミレーツ一択だった。

オペラ座の見学ツアーに参加。この日のソワレは「サロメ」

ここで私がチケットを手に入れるために行った
数々の涙ぐましい(?)努力を書いておきたい。

基本はスカイスキャナーで検索するのだが、その一方で、
グーグルフライトで料金のトラッキングを設定した。
安いフライトが出てきたらメールで知らせてくれるシステムだ。
これはかなり便利なのでお勧めしたい。

また、航空会社のキャンペーン情報を取りこぼすことがないよう、
エミレーツとターキッシュのSNSをフォローした。
不定期に行われるキャンペーンに上手く乗っかることが出来たら
9月出発にこだわらなくてもいいと考えていた。

さらにだめ押しで、
YouTubeで格安航空券を入手するための
裏技紹介動画等もチェックした。
この類の動画を2~3本見ると、だいたい情報がかぶってくる。
航空券予約のタイミングは概ね54日前がいいとか、
出発日は平日が安い傾向にあるとか、
購入日は何曜日と何曜日が安いとか、そのあたりに集約される。

先人たちが導き出してくれた
これらの「黄金ルール」に従ったからといって
劇的に安いチケットが手に入るわけでもないが、
確かに、休日よりも平日に出発した方が安い傾向にあったし
黄金ルールに則ると「損はしない」のは確かだろう。

一番楽しみにしていた王宮図書館。天井のフレスコ画は圧巻の一言に尽きる

さながら「情報戦」の様相を呈してきたチケット購入だが、
毎日スカイスキャナーを見ていても
日々変わる価格は為替変動からくる誤差程度。
さすがの私も、しばらく価格のパトロールから遠ざかっていたところ、
6月の初め頃だっただろうか、ターキッシュがキャンペーンを打ってきた。

お目当てのウィーン往復が20万を切った値段になっていた。
搭乗期間は冬ダイヤ期間中。購入期限は1週間程度。
迷っている暇はない。
が、結局キャペーンはスルーした。
価格は魅力的だが冬のウィーン(というかヨーロッパ)は
寒くて太陽が出ている時間も短いという印象があったので、
日中動ける時間が限られ
十分に観光ができないかもしれない、と判断したのだ。
もちろん冬のウィーンも、行ってしまえばきっと楽しいだろう。
寒さに震えることも思い出の一つになるはず。
だが、まずはベーシックな観光をしたい私としては
せっかくなら気候のいい時に行きたいと思ってしまったのだ。

キャンペーンが利用できなかったのは残念だったが、
少し遠ざかっていた価格パトロールを再開した。
すると一層進んだ円安の影響だろうか、
16万円台だったエミレーツが、20万を超える価格をつけてきている。
できれば航空運賃は燃油込みで20万円以内を目標にしていたので、
一瞬絶望的になったが、捨てる神あれば拾う神あり。
そのまま検索結果画面を下へスクロールしてみると
以前は20万円台だったターキッシュが、
20万を下回る価格を出しているではないか。

どういうアルゴリズムで価格が決まるのか分からないが、形勢逆転。
もう何の迷いも不安もなく、ターキッシュを利用することにした。
ターキッシュは昨年ポルトガル旅行の時に利用しているので、
乗り継ぎの雰囲気も予行演習済み。
気持ちの上で大きなアドバンテージができる。

とはいえ設定日によってはターキッシュも
20万円を超える日があるので油断できない。
私は慎重に日付をずらしながら最安値を探った。
ここまでくると、自分が何かの職人になったような気分になる。

結局、私が選んだ出発日は9月の祝日だった。
格安航空券入手の「黄金ルール」には思いっきり反していたが、
復路がターキッシュの早割か何かが適用されたのだろう、
往復トータルで見ると、うまい具合に20万を切る価格が導き出された。

この時点で、出発予定の100日くらい前だった。
自分の中では購入するにはまだ早いかと思ったけれど、
うっかりすると何かの拍子で価格が跳ね上がらないとも限らない。
見つけたチケットはさっさと買ってしまおう。
高鳴る胸を落ち着かせながら購入ボタンを押した。
価格は燃油込みで約19万。
後に課金して座席を指定したため合計約20万となった。

王宮図書館。いつまでも眺めていたい

長々と書いてきたが、結局のところ、
航空券はいつ購入するのがいいのか。
最安値は難しいとしても、自分なりに納得のいく価格で
入手できるタイミングはいつなのか。

一般的な航空会社は約1年前から予約ができるが、
1年前が必ずしも最安値とは限らない、
と今回の経験で分かった気がした。

航空会社のキャンペーンで買うのが一番安いだろうが、
それ以外なら、早すぎてもだめだし直前過ぎても高くなる。
試しに出発の1カ月くらい前に同じ条件で値段をチェックすると
燃油サーチャージ込みで27万円近くになっていた。よって、
出発予定の半年前を切ったころくらいからまめに価格をチェックして、
多分2.5か月前くらい前に買うのがベストなのではないか
、と思っている。

国内線の例になるがJALやANAの早割運賃をみていても、
75日前を切ると徐々に割引率が下がる。そう考えると、
国際線も75日前、つまり2.5か月前くらい前が
購入タイミングの一つの目安になるのではないだろうか。

航空券入手は欲しい時がベストタイミングで、
「黄金ルール」に縛られすぎず、
柔軟かつ根気よく探していくしかない。
これから航空券を探す皆さんのヒントになれば幸い。
長い長い文章をここまでお読みいただき、ありがとうございました。


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