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メンタルトレーナーやメンタルコーチとは何者か?
まだ、意味が定まっていない「メンタルコーチ」
僕は、2019年11月から2020年7月にかけて、(一社)フィールド・フローが主催しているスポーツメンタルコーチ養成講座(7期)を受講し、はじめて「メンタルコーチ」という仕事(役割)を知りました。
選手の可能性・チームの可能性を最大限に引き出す、メンタルコーチング
メンタルコーチはプロフェッショナルなスキルで世代、種目、レベルを問わず、どんな選手、指導者、チームでもサポートします。
選手と1対1で関わることはもちろんのこと、チーム全体のコーディネイトをします。
その後、2021年の東京オリンピック、2022年の北京オリンピック(冬季)、2024年のパリオリンピックを経て、アスリートのメンタルに関する記事を見ることが増えています。
![](https://assets.st-note.com/img/1731568716-IqyeaVUxlB59hNCcH48bgs1M.png)
また、日本オリンピック委員会(JOC)や日本サッカー協会(JFA)では、選手の競技環境の構築やメンタル面をサポートする「ウェルフェアオフィサー」というスタッフが生まれました。
冬季ユース五輪(韓国)で、心のケアの専門家「ウェルフェアオフィサー」が日本選手団に同行した。若い頃から好成績を期待される重圧を和らげるのが目的。
「ウェルフェアオフィサー」は、サッカーを楽しむサッカーファミリ―の安心・安全を守り、より快適なサッカー環境を構築する役目を担います。
このように、少しずつですが、アスリートをメンタル面からサポートし、彼らが最高のパフォーマンスを発揮できるように支援する役割が増えています。
他方で、シンプルに「アスリートをメンタル面からサポートする」と言っても、その専門知識の量や選手との関わり方は、千差万別です。
特に、日本のコーチに関する資格は全て民間資格のため、「コーチの資格を持っています」と言っても、実際にどのくらいの能力を持っているかわかりずらいのが現実です。
民間団体や企業が、独自の審査基準を設けて任意で認定する資格です。
コーチングの資格は民間資格となります。法規制がないため、資格を付与する審査基準のレベルと有資格者自身の実力が問われる資格です。
そこで、今回は「メンタルコーチ」という人々を中心に、カオスな世界を少しだけ整理してみたいと思います。
なお、この整理は、完全に僕の私見であり正確性を保証するものではありません。また、この記事で、特定の団体や資格を推奨したり、優劣をつける意図はありません。
メンタルコーチやメンタルトレーニングに関する団体や著名な方を整理した記事はこちらをご覧ください
https://note.com/ishigaki_sptlaw/n/nde2e9d9f9cb3
「メンタルトレーニング」を提供する方々
1:スポーツメンタルトレーニング指導士(日本スポーツ心理学会)
メンタルと聞いて、最初に心理学を連想する人は多いと思います。
心理学に関する専門知識を持って、メンタルトレーニングという方法で選手のサポートをするのが、「スポーツメンタルトレーニング指導士」です。
資格を取得するには、原則として心理学の修士号を取得していることや、日本スポーツ心理学会に所属していること等、かなり高いハードルをクリアする必要があります。
詳しくは、日本スポーツ心理学会のHPをご覧ください。
2:日本メンタルトレーナー協会公認・公認メンタルトレーナー
こちらは、日本メンタルトレーナー協会が設けているメンタルトレーナーの資格です。
こちらの協会では、メンタルトレーナーの資格とは別に、メンタルトレーニング検定(3級~1級)というプログラムもあります。
3:JADP認定スポーツメンタルトレーナー
こちらは、日本能力開発推進協会(JADP)が設けているメンタルトレーナーの資格です。
「メンタルコーチング」を提供する方々
ここまでは、「メンタルトレーニング」を提供する方々を見てきました。
ここからは、「メンタルコーチング」について整理していきます。
なお、メンタルトレーニングとメンタルコーチングの違いを説明すると、考え方や整理の仕方が様々あって非常に長くなってしまうので、この記事では割愛します。
1:「メンタルコーチング=メンタルトレーニング+コーチング」という考え方をする方々
「メンタルコーチング」とは何か?という質問に対して、「それは、メンタルトレーニングとコーチングをかけあわせたものです。」と説明する方々がいます。
スーパーブレイントレーニング(SBT)
経験と脳科学に裏付けされたメンタルトレーニングがSBTです。
SBTでは自らの長所や現状の問題点に“気づき”、 自己変革できる『自立成長型の人財』へと導きます。
その為、SBTの指導者をメンタルトレーナーではなく、 自立を促すSBT“コーチ”と呼んでいます。
メンタルコーチングとはなにか
「メンタルコーチング」というのは体系立った理論ではなく、私の造語だからです。「コーチング」と「メンタルトレーニング」を掛け合わせ、実践しながら構築したもので、人のパフォーマンスを最大化するためのメソッドです。
このように、メンタルトレーニングを軸に、コーチングのエッセンスを加えたものを、「スポーツメンタルコーチング」と呼ぶ考え方があります。
2:「コーチング」を軸にする方々
これに対して、メンタルコーチングは、あくまで「コーチング」の考え方や関わり方を軸に選手やチームをサポートするものという考え方をしている方々もいます。
メンタルトレーニングとメンタルコーチングの違い
メンタルトレーニングは、アスリートの心理的スキルを向上させるための訓練方法です。
メンタルコーチングは、アスリートの長期的な成長と成功をサポートするためのアプローチです。
「メンタルの質を高める」=「自分会議」の質を高める
「メンタルを強くする」ことは、「自分との対話の質を高める」こと。メンタルコーチは、成長を加速させる仕組みづくりをサポートします。
こちらの2団体は、「コーチング」を軸に、選手の長期的な成長まで視野に入れてサポートすることを「メンタルコーチング」と呼び、メンタルトレーニングとは一線を画しているような説明の仕方になっています。
まとめ(メンタルコーチの多様性)
かなり大雑把な整理ですが、次のように整理できると思います。
1:メンタルトレーニングに軸足をおいている方々
2:メンタルトレーニングに、コーチングの要素を加えたもの「メンタルコーチング」と呼んでいる方々
3:コーチングに軸足をおいて、それを「メンタルコーチング」と呼んでいる方々
ちなみに、僕が学んだ一般社団法人フィールド・フローは、「3」に分類されます。なぜ「メンタルコーチ」と名乗っているかというと、スポーツの世界で「コーチングをやっています」といった場合、ほとんどの方が何かの競技の指導者(スキルコーチ)または、フィジカルコーチを連想することが多く、スキルコーチでもフィジカルコーチでもないため、「メンタルコーチ」と名乗ることにしたそうです。
このように、メンタルコーチ(またはメンタルトレーナー)の世界は、その肩書だけでは能力や経験値を判断できないややこしい業界になっています。
冒頭に書いた通り、この記事では、資格や団体の優劣をつけるつもりはありません。難しい資格であっても、相性によってはイマイチな関係になることもあるでしょうし、民間資格であっても豊富な知識と素晴らしい実績を持っている方もいます。
この記事を読んで、「メンタルトレーナーとメンタルコーチの違いや、メンタルコーチと名乗る方々がどんな人か、なんとなく整理できた」くらいの感覚になっていただけたら幸いです。
fin.