制作こそ、営業を知るべき。

私は広告代理店に長く勤めていたから分かるが、広告代理店には、大きく分けて「制作」と「営業」の2つに分かれる。
否、会社の規模が小さくなればなるほど、
営業の比率の方が大きくなる。
小さい広告代理店だと、制作は全てアウトソースで、営業だけをやっている会社もある。
制作の方が多い会社は、それは制作会社になる。
また、数多くの中小の広告代理店の社長と話をしてきたが、
多くの社長は制作ではなく、営業を欲しがっていた。
それはなぜか、
営業は、数字で成績が表れるからだ。
数字というのはつまり、お金だ。
お金をどれだけ稼いだかがわかるからだ。
どんな会社にしても、
お金が稼げなくなったら、その会社は存続できない。
つまり、お金を稼げない会社は、存在価値が無いということだ。
会社の雰囲気を良くしてくれる人も大事、
営業を支える存在も大事、
という議論は、一旦なしにしよう。
社長にとっては切実なのだ。
数字が出なかったら、従業員を路頭に迷わすかもしれない、明日を生きられないかもしれないと。
いくら屁理屈をこねても、数字を出さない人は、会社のお荷物でしかないのだ。

というのが、多くの中小企業の社長の本音だった。

それを踏まえて、多くの制作として働く人たちは何を考えなければならないのか。
よく、「営業がわかってない、クライアントがわかってない」と愚痴をこぼす制作者を見る。
だがそれは、圧倒的に間違っている。
数字を提供してくれる相手をわからせることごできないということは、制作として働いていないことと一緒なのだ。
どんなに技術があっても、知識があっても、腕があっても、センスがあっても、数字を上げることに貢献していなければ、その制作の存在価値は0なのだ。
営業や、クライアントが、ぜひお金を出したい。と思って初めて、
その制作は会社として存在価値がある存在になる。
制作こそ、営業を知らなければならない。

私は、広告代理店にいた5年ほど、
カリスマ営業マンに引っ付いて、営業の姿を吸収できた。
制作として死ぬほどこき使われたが、そこは最高の環境だったのだ。

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