ポケットでプレー時間を引き延ばすQBの機能性|タッチフットボール
これはラファーガのゴール前の攻撃です。プレーの全体は見えませんが、QB矢谷さんが、ふたりのエンドの裏を取るような素晴らしいポケットムーブでプレーの時間を引き延ばし、2次攻撃のアクロスのパスにつないでいます。
このとき、スナップからリリースまで約6.5秒。
タッチフットボールでは、通常スナップから約2秒前後でパスがリリースされますので、QBとオフェンスラインの動きで、そこから4秒以上時間を引き延ばしています。この場面では、左ガードのサイドステップの早さも相当なものです。
過日「ディフェンスを揺さぶるための4つの視点」という記事で、「時間」の揺さぶりについて書きました。
https://note.com/ishidatomohiro/n/n40109760cf68
ディフェンスが1次攻撃のカバーに成功しても、このように展開を見ながら時間を引き延ばされると、
①カバーしていたレシーバーがフリーになる
②ポジショニングの偏りが生じる(中盤や左右に大きなスペースが生じる)
③スクランブルの警戒のため、ミドルLBがフリーズする(機能性を失う)
などの状況が次々生じ、オフェンスに有利な2次攻撃のチャンスを与えることになります。(他方、引き延ばしがディフェンスの狙いである場合もあります)
これで「技術的スローバック」「引きつけて柔らかくかわす」「ポケットムーブ」と、QBの動きによる3つの「違い≒高い機能性≒ファンタジーア」の例を紹介しました。
これらに共通するのは、QBの動きによって、タッチフットボールのゲームの重要な資源である「空間」が作り出されている点です。別な言葉でいえば、QBによる「スペースメーキング」です。
タッチフットのゲームで奪い合う「資源」については、ゲームモデル(チームの設計図)作りと関連していますので、今後改めて記事にしたいと思います。
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