ライジングサンズに聞くQBの「ゲーム勘」「プレー選択」を支える情報共有|タッチフットボール
今回は、QBの「ゲーム勘」とプレーコールの関係を情報を切り口に確認してみようという話です。内容的には「キャプテンシー」「プレー選択」とかかわりがあります。
オフェンスのハドルプロセス
さて、オフェンスのもつ能力を効果的に得点に結びつけていくためには、適切なプレーコールが必要であることは明らかです。
たとえば、これまでに紹介してきたQBのように、高い機能性を有する選手がいるならば、どのタイミングでその能力を使い切るかが重要になります。
一般に、オフェンスハドルの流れは、
ゲームの中でのQBの認知 + 味方からの情報
➡ QBの総合的な状況把握(理解)
➡ やるべきプレーの決断(プレーコール)
と進みます。ここでプレーコールのカギになるのが「状況把握」です。
ゲームの感覚を得る
その状況把握について、(先日の記事でプレーを紹介した)ライジングサンズQB郡上さん(#22)からコメントをもらうことができました。
大切にしているのは、その場の空気感。
もちろんスカウティングもしますが、それよりもゲーム中にリアルに感じたことをプレーに反映できるように考えています。
その為に、メンバーにはラッシュの感じとか、ディフェンスのつき方とかは意識的に聞いてますし、言ってもらうように伝えています。
そこに対し、どう裏をかくかを考えてハドルに落とします。
だから、その場で思いついたハドルとかもやったりするので、メンバーには迷惑かけてますね 笑
他のチームの人にもハドル(ゲームの組立)を読みづらいって言われたことがありますが、これもゲーム中の感覚を重視しているところに起因してるかと思います。
僕が大切にしてるのは、分析とリアルを鑑みたうえでゲーム中に感じたことをすぐにプレーに反映するということです。
あとはパフォーマンスを維持できるように、年齢を重ねるごとに衰えていく体を鍛えることです
ここでも読み取れるように、ゲーム中の状況を「感じる」ことで、相手の裏をかくようなプレーセレクトが可能になってきます。
一般に、すべてのQBは、
●ヒントになる情報を味方から得る ➡ 状況を把握する ➡ プレーを決断
というプロセスをゲームの中で繰り返して、「ゲーム勘」や「判断能力」を身につけていきます。
悪いハドルのプロセス
一方、悪いプロセスの中では、
①味方からの情報提供が積極的でない
②伝えられた情報が分かりにくい
③伝えられた情報が有用でない
(QBの狙いやゲームモデル(プラン)に即していない)
などが原因で、効果的なプレーコールが生まれにくくなります。
ゲーム中での改善
悪いハドルのプロセスを感じたときには、たとえば、
●ハドルの中で手短に伝達する
●ハドルが解けた後もセットまでの間、1~2秒で味方とコミュニケーションする
●ディフェンスが相手ディフェンスの様子をよく観察する
●重要な場面では、タイムアウトをとってハドルに有用な情報を増やす
のような心がけで改善できます。
ゲームの後には、結果の評価(学習)も忘れずにおこないます。ビデオでのレビューもチームのフットボールIQの成長には欠かせません。
オフェンスの機能を最大限に発揮するために、QBへの情報提供の経路とタイミング、内容についてチームで確認してみましょう。
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