アルモグラン・シティ・ビジネスディストリクトと中東湾岸諸国
「10%以上の経済成長や石油開発の進展、南北内戦の終結などの実態からすれば、ビジネスチャンスが大きいと判断するのは当然である。我々は米国などの西側メディアの(スーダンに対する)否定的な宣伝に影響されていないだけ」
(クウェートのユナイテッド・キャピタル・バンクの社長談)
ユナイテッド・キャピタル・バンクだけではありません。世界最大の政府系ファンドであるアブダビ投資庁(UAE)や、世界最大のイスラム銀行であるドバイ・イスラミックバンク(UAE)、中東アフリカ地域最大の通信会社であるエティサラート(UAE)など、アフリカのスーダンという国にいま巨額の開発資金を投入するアラブの企業は、まだまだ数えきれないほどたくさんあります。
(エティサラートの店舗)
エティサラート(Emirates Telecommunications Corporation)はUAEに本社を置く通信会社で、UAEのほかアジア・中東・アフリカなど18カ国で事業を展開し1.35億人が利用する巨大通信会社です。
スーダンという国に対して今後の伸びしろに注目し、大きな期待を寄せているのが、クウェート・UAE(アラブ首長国連邦)・サウジアラビア・カタール・バーレーン・オマーンのGCC(湾岸協力会議:Gulf Cooperation Council)諸国の金融機関やインフラ開発、農業開発企業たち。
ハルツームはスーダンの首都で、オムドゥルマンに次ぐスーダンの第二の都市です。それは、エチオピアの「タナ湖」から西に流れる青ナイルと、ケニア・ウガンダ・タンザニアに囲まれたアフリカ最大の湖「ヴィクトリア湖」から北上する白ナイル川の合流点に位置しています。
(青ナイル・白ナイルの合流地点)
この2つのナイルが合流することを意味する「アルモグラン(Al-Mogran)」という言葉で知られる場所です。この合流地点の400ヘクタール(東京ドーム約100個分)の土地に、「アルモグラン・シティ・ビジネスディストリクト(Al-Mogran City Business District)」が建設中です。
約400ヘクタール、約60,000人の新規雇用、1,000棟のヴィラと6,700のアパートメント、学校、ホテル、病院、スーダン初となる18ホールのゴルフコースが開発される計画です。英BBCワールドは、アルモグラン・シティを第二のドバイと呼びました。
2005年(スーダン暫定和平協定)以降、この第二のドバイと呼ばれる土地にUAEの政府系ファンドであるアブダビ投資庁は、
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