イシダ チアキ

ほぼノンフィクション小説とエッセイ・コラム・日常について書いてます。たまにポエムとか書くかも。 2008年次からのブログはこちらhttp://tomiteboshi.blog82.fc2.com/

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  • なんでんかんでん

    日々思った事を綴ります。 エッセイや小ネタ系を書こうと思ってます。 パートナー作画の漫画とか? 現在、留学失敗談書き始めました。 他にも思いついた事を書き始める予定です。

  • 私小説

    ノンフィクション系私小説 完結 real 全15話 現在投稿中 スケープゴート

  • 皆さまへのアナウンス

    こちらは、エッセイ・フィクションベースの物語以外の私信記事を書いています。

最近の記事

スケープゴート -11-

    ―聖なる夜―   十二月二十四日。田中ちゃん夫妻のパーティー当日。夕海の体調はすっかりと良くなっていた。だからといって、田中ちゃん夫妻のパーティーには行けない。夕海としては体の良い断る理由にはなっていたが、なぜだか勝手に淋しくも思い始める。  綿谷は綿谷で田中ちゃん夫妻のパーティーに行くか行かないかで面倒な事を言い始める始末だし、夕海としては、げんなりしていたのは事実である。折角のクリスマスイヴなので、夕海は気持ちを切り替える。  おもむろに冷蔵庫からケーキ

    • スケープゴート -10-

          ―来訪―   田中ちゃんのパーティーまであと三日。    十二月二十二日、夕海は倦怠感を感じていた。その夜には高熱が出て、翌日は朝起きる事が出来なかった。幸い、シフト休で仕事は休みだったので、夕海は病院へ行く事にした。しんどい身体で最寄りの内科に掛かる。どうやらインフルエンザらしい。翌日のシフトが入って居たので、夕海は職場へ連絡した。会社側からは、インフルエンザの場合、職場復帰するには治癒証明書が必要との事で、様子をみて医師に書いて貰う必要がある。とりあえず、職

      • スケープゴート -09-

        ―交流―   数日後の出勤日。夕海は昼休憩にいつもの様に喫煙所へ行った。綿谷はもう来ていたようだ。そんな彼はというと、忙しなくゼリー飲料を喉に流し込んだ後にタバコを吸い始めた。 「あー、今日は俺のミスで客先に呼び出されてんだよ!昼イチで来いってさ!大変だよお」 「あら、ご愁傷さまです」 「ほんと、マジ、ありえないよ!なんでミスったかなー」 「こんな所に来る暇があったら、早々に向かった方が良いんじゃないんですか?」 「いやあ、ミスって落ち込んだから元気出そうと思って

        • スケープゴート -08-

          ―変化―     夕海は一度大きく体調を崩してから以降は、大なり小なり波は押し寄せて来たがなんとかやり過ごしていけるようになって来ていた。職場の喫煙所にもまた通うようになっていた。勿論、綿谷と会って雑談をしたりしていた。綿谷も今まで通りの態度で接してくれていたので夕海としては助かっている。付き合うという約束はしたものの、二人の関係は何も進展していない。まずもって、夕海にはそんな事が考えられないので、自然とそうなる事はなかった。ただ、綿谷と雑談するのは楽しいと感じている夕海

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        記事

          スケープゴート -07-

          ―迷走―     渡辺さんに相談してから、夕海は綿谷と少しギクシャクしてしまっていた。渡辺さんがあんな事を言うものだから、夕海は変に意識をしてしまい余計におかしな言動になっていた。綿谷もそれには気づいては居たが、別に気にしていない様子でいつもの調子で話掛けて来る。彼のそういう所には助かっている夕海だが、自分自身がコントロール出来なくて煩悶としていた。 「それで、課長がさー、IDカード作ってくれって言って来たのは良いんだけど、送られて来た写真がさあ入社時のものなんだよね。

          スケープゴート -07-

          real

          -逃避・遁走- 高梨琴美は、現在23歳、数えで24歳になるごくそこらへんに居る女性。 彼女の23年間は、結構それなりに艱難辛苦で彩られている だが、それはこの世の中にはよくあるというその程度。人によっては違うかもしれないが。  彼女は現在、職にも就かず、連日を仮想世界に費やしている。 彼女は非情に怠惰で、堕落した精神、加えて排他的な生活を送ることによって生きている。  そうして、思春期の少年少女にありがちな自己中心的な思想の持ち主でもある。世界のすべてを善しとせず、自分が

          スケープゴート -06-

          ―動揺―   先日のお花見から夕海は、出勤時、昼休憩、退勤時に喫煙所になんとなく通うようになった。そこに行けば大抵綿谷も居るし、他の喫煙者達も集まってくる。アルバイトを始めた当初は、面倒くさい人付き合いを避けていた夕海だが、喫煙者故に喫煙所でのコミュニケーションはやはり楽しいものであった。社員や派遣、アルバイトの人達が喫煙所を訪れては会釈や挨拶、少しの会話をする。また、喫煙者あるあるなのか、ライターを忘れてしまった人に貸してあげたりと喫煙者同士、仲良くやれていた。中には気に喰

          スケープゴート -06-

          スケープゴート -05-

          ―自由―     数か月後、年も明け、夕海は有能な社会労務士のお陰で障害者年金も支給され、生活保護も継続して貰える生活になっていた。 全てが終わり、夕海はそれから半年は臥せっていた。    全てをやり終えて疲弊しきってしまい、ベッドから起き上がることすら難儀になっていた。転院した病院にも通わなくなり、働きもせず、夕海は寝ては起きての繰り返しの生活を送る。夕海の中では、もう少しだけもう少し、と働くことを先延ばしにしたい思いが沸き上がっていた。今までの数年間、入院も含め

          スケープゴート -05-

          スケープゴート -04-

          ―生殺し―     退院して二週間が過ぎた。退院数週間前から、薬を飲む事を止めていた夕海は、割と調子はよかった。しかし、眠る前の薬だけはどうも飲まずにはいられなかった。  夜眠れないのは辛い。朝までが長く長く感じられるし、闇夜の中で、とてつもなく寂しくなり、絶望感を抱くからだ。病院は退院したものの、すぐに働ける状況でもない。薬を飲まなくなってから大分良くなったとは言え、まだ呂律も回らないし、手足が震えて、食事中なんかは箸すらまともに握れない。イライラ・ソワソワによる副作

          スケープゴート -04-

          スケープゴート -03-

          ―二度目の面会―   午前中はしとしとと雨が降り注いでいた。湿度が高く、昼前には病棟内も蒸しかえっていた。午後からは午前中と打って変わって太陽が照り始め、湿気に加え気温が上昇して過ごしにくくなっていた。夕海たちは詰め所のナースに除湿か冷房を病棟内に入れてくれるように頼んだり、ホールに備え付けの自販機でジュースを買って飲んだりしていた。  昼食後、午睡をするものもいれば、テレビを観ている者、本を読んで過ごする者などがいた。夕海たちはいつも食事以外は煙草を吸っていなくてもいつも

          スケープゴート -03-

          スケープゴート -02-

          ―面会―  OTへの参加許可を貰う為には再び診察を受ける必要がある。診察までの待ち時間、夕海は喫煙所で暇をつぶしていた。その日は土曜日だった。日曜日には医師は居ないので、土曜日にギリギリ許可を貰って翌週からOTへの参加を認められたかったのだ。そんなことよりも夕海は重大な事を忘れていた。  入院してから、早二週間は経とうとしていた。面会も家族からの連絡も一切なく、さまざまなことがありつつ日々を過ごしていたから、あっという間に過ぎていく。しかし、今日この日は家族が面会に来る予定

          スケープゴート -02-

          スケープゴート -01-

          ―ZELLE―     病院に運び込まれてからも、大声を上げて叫んでいた。すると白衣に着替えた藤崎が注射器片手に傍にやってきた。 「これで少し楽になるから、ゆっくり休みなさい」  その後意識は途絶えた。気を失ったのか、何があったのかイマイチ理解できなかった。目が覚めたとき、緑色の天井が見えた。ここはどこだろう?布団から一段下の所には和式便所が備え付けてある。トイレットペーパーは無造作に床に置かれている。ふと周りを見回してみると、そこは緑色の壁に囲まれ、鉄格子で隔離され

          スケープゴート -01-

          スケープゴート -00-

          ―プロローグ― 「おつかれさまです。お先に失礼します」 と元気良くハキハキと喋る女性がいる。  荒木夕海は二十三歳。コンビニでバイトをして、早三年になる。有る程度仕事も覚えて、上司や先輩から可愛がられつつ、日々の業務もソツなくこなせている。何も問題のない、ただ普通の女性。  そんな彼女にも人には言えない悩みがある。それは、家族仲の悪さ。元々、夕海は荒木家の人間ではない。母・幸枝の連れ子として兄と一緒に荒木家に養子として入った身だ。だからこそ、息苦しさ、肩身の狭さは当然あ

          スケープゴート -00-

          「偏見ないから、大丈夫!」

           昨今、様々な事象に対してこのセリフを言う人が多いと見受けられる。  多様性・多様化が進んだ現代では、色々と肩身が狭い思いをする方や、逆に楽になれた方もいると思う。  今まで、社会生活やプライベート等で何度表題の言葉を掛けられたことか。時には、家庭環境であったり。そして、時にはセクシュアリティであったりした。  家族や仲間などという様々な人間関係は波風立てず要領よくやっていくために”ルール”、”マナー”、”普通”を維持する事に努める。それはとても大切です。人間は生まれて

          「偏見ないから、大丈夫!」

          不純な動機でした!留学失敗談 01

          留学までのいきさつ 前置き  私は小学生~中学生時代まで、友人関係を親に管理され支配され続けていました。加えて異父兄があまりにも際立つ問題行動を起こし、警察のお世話にもなったりで"あいつの妹"や、母のコブ付きで初婚男性を誑し込んだという認識の保護者達による影響で同級生たちからも変な子と認識されていました。  例えば、中学生時代。私が小学生時代の義父は、家庭内不和でストレスにより円形脱毛症になり仕方なく坊主頭で過ごしていました。それは義父が義父方の祖母たちとの別居を決意し

          不純な動機でした!留学失敗談 01

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          ドッグランの風景

          ドッグランの風景

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