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第1回目「形良くとはなんだろう」

こんにちは。絵を描いております、石櫃(いしびつ)ゆうです。

前回(第0回目)は、僕の自己紹介と、この講座で目指す方向性を説明しましたね。
そう、目標は「人物を形よく描く」ということでした。そのためのステップを踏んでいきましょう。

では、今回は!

第1回目「形よくとはなんなのだ?」


今回はその「形よく」ってなんなのかということを説明していきたいとおもいます。
まずは、「形」について考えていきましょう。

そもそも形とはどこのこと?

物にはいろんな形を構成する線があります。

ためしに、車など工業製品を思い浮かべてみましょう。
パーツをかたどる線がたくさん存在していて、どこを見たらいいのか混乱してしまいそうです!

そうすると、複雑で描くのは大変そうだとなりますね。僕も建物などを描くときは、身構えてしまいます。

「形」を冷静に見る力をつけるために

ここで僕が言いたいのは、形を把握するのにいったん冷静になるための方針です。見るべき線だけをとりあえず見るということです。

僕がここで言っている形をあらわす言葉を紹介します。
・シェイプ
・フォルム
・シルエット
・アウトライン
・大枠
・輪郭
・外側の線

線の多い物体でも、焦らずシンプルに大枠を見る
対象物(人物全体だったり、目などのパーツ)の大枠を見る


見るべき線を決めておくことで、焦らずに形を見極める手立てになります。
ザクっとアウトラインを考えることは、物の形の個性を端的に理解することにつながります。

とはいってもいきなりアウトラインを描こう!とは言いません。

ここではものの見方として覚えておいてください。

よい形(アウトライン)とは何だろう

形とは外側の線で、物をかたどるものだと分かりました。

では、そのアウトラインがよい状態であるというのは、どういうことでしょうか。

キャラクターたちはもちろん、いい形を持っています。

しかし、僕が真っ先に「よい形」の絵と言われて思い浮かぶのは、鳥山明先生の漫画・イラストです。この中で、もっとも形を理解しやすい作品は「Dr.スランプ アラレちゃん」

誰が見ても、素晴らしいシェイプ・アウトラインを持っていると思います。
なぜ、こんなによい形が描けたのでしょうか?鳥山先生が天才なのはひとまず置いておいて、理詰めで考えみましょう。


アウトラインを決めている理屈は、

物の凹凸・対象物を見ている角度

の二つです。



立体的に理解できると、角度の応用が効きます。
こういう角度で、こういうポーズの人物が描きたい!を形にできる力です。

「ここはこの面の切り替わりを示すために、アウトラインは角張るな」
「この角度から見ているから、へこみ気味の曲線のアウトラインを引こう」
というように。

よっておのずと形(アウトライン)はまとまります。

逆に、立体を理解せずにあてずっぽうに引かれた線は、内側の線をまとめることが難しく、まとまり感がなく、形としての一体感にかけてしまうと思います。(補足あり)

理屈の上で引かれたアウトラインは、おのずと形を引き締め、物体をよく見せるのです!

外の線VS内の線

よい形(アウトライン)は内側の線によって決まる。
内側の線は、物の立体性を示し引かれている…

つまり!

よい形を描くには、立体的に形を理解することが必要であることが分かりました。

内線は立体感が必要ということです。
立体だって?なんだかイヤな予感がしてきます。
アレをやらなきゃいけないんじゃないの?

そう「パース」!

でも、この講座では

厳密なパースのお話は、なしでいきましょう!


これ嬉しいです。

パースって、気分盛り下がりませんか?僕自身、なんどもパースの教本をはじめっから見ては「やっぱ無理だよ」ってなりました。それだけでも絵を描くの、楽しくなくなります。
だからもう、厳密なパースはやめましょう。

人を描く上で必要なのは、感覚的なパース力(りょく)です。

パースという言葉が嫌なら、
感覚的な空間力
と言いましょう!

アイレベルがどうのとか、これこれこう線を引いて、求めたものではなく。
一点透視図法だとかそういうのは置いておきましょう。

うれしい


あくまでも感覚的なパース力を高めていただきたい!


簡単なコツさえ覚えてしまえば、どんどん理解が深められるので、次回にお伝えしますね。

次回「人物のための感覚的パース(空間)!」


今回は「形」外側の線について考えてきました。
次回は、内側の線についてお伝えしていきます。

内側の線をとらえるために、感覚的パース力を養っていきましょう。


足がかりとして、「2つの簡単な基礎となる形」をお伝えします


形を理解する上でもっとも大切な考え方になります。
ので、次回は一緒に描いて練習していきましょう!

二つの形を覚え、繰り返し描いていくと
「紙」を「空間」として見れるようになっていくでしょう!



今回も読んでいただいてありがとうございます!
コメントで感想なども気楽に書いてください!

この講座、もっと参加型にしていきたいという思いがあります。
絵を描く仲間づくりの場になっていくといいなと思ってます。僕も仲間がいたほうが記事を描くのがもっと楽しいです。
分かりにくかったところとか、参考になりますのでどしどしお願いします。

僕のツイッターでも絵に役立つ情報発信をしていますので、よろしければ合わせてチェックしていただけたら嬉しいです。

この講座は広く楽しんでいただくために、現在無料で公開しています。
応援したい、評価をいただけるという方は、クリエイターサポートをいただけると大変うれしいです。さらに新しい企画を進める力になります!

次回も火曜日(7月9日)予定。また会いましょう!




※ちょいと補足
・よい形の「よい」はGoodの良いというよりは、その人にとっての、自然な・ポピュラーな・一般的な・という程度の意味。
だから、これが正解の形という意味ではない。

・よい形の反対はBadな形ではない。そこには「個性的な形」がある。ただ、基準的な形を知っておくことで、そこから意識的に変化を加えることができる。
絶対正解の形などはありませんので、囚われすぎには注意!


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