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6年歴史の学習での体験活動に大賛成

 ちけ氏が、5月9日投稿の「社会をつくる力を育てる授業づくり80 江戸の文化を体験プロジェクト」で、「伝統的な文化を学び、大切にしようという思いを持つには、その文化を実際に見たり、体験したりすることが必要」であるので、「体験を通して様々なことを感じ、そこから、発信へとつなげていくプロジェクトにすると良い」と述べている。

 私は、この主張に大いに賛同の意を表するものなので、今回は、自分が行った6年歴史の学習での体験活動について紹介したい。

体験学習を取り入れる理由

 よく知られているように、小学校の歴史学習は「通史」ではない。
 「人物を通した出来事史」である。
 だから、「この時代・時期は、こんな出来事=事象があった時だ」という、それぞれの時代・時期を丸ごとイメージとしてつかませることが、とても大切である。
 その時、各時代・時期の文化学習を豊かに展開することが有効である。
子供にとって、その時代・時期のイメージがつかみやすくなるからである。
 指導要領では、平安時代や室町時代の学習は、文化そのものが時代・時期を捉える「事象」=学習対象になっているほどである。

 しかし、無味乾燥な「暗記歴史」を行っている小学校社会科教師は、現在は皆無だと思うが、文化の学習においては、網羅的・付加的な扱いになっている場合があるのかもしれない。

 そこで、文化についての体験学習を大いにオススメしたい。
 子供にとって、遠かった「歴史」がぐっと身近なものになり、その時代・時期のイメージを豊かに形成する大きな力となる。
 何よりも、歴史の学習に対する興味が高まる。教科書や映像だけの学習ではできないことである。中学校以降の歴史学習にもよい影響を与えるはずだ。

実施した歴史文化体験学習

 以上のように考えた私が過去において実施した歴史文化体験学習を紹介する。

①弥生時代の採集や農耕生活体験

 弥生時代の歴史を伝える博物館において体験を実施。
 貫頭衣を着たり、火起こし体験をしたり、田下駄を履いて疑似田植え体験をしたりと、あくまでの簡単な「真似事」ではあったが、言葉以上の学びがあったことは言うまでもない。 

②室町文化体験学習

 茶道、華道、水墨画の講師を校内に招き、体験した。
 まず、地域に講師として来ていただける方を探した。できるだけ学区内の方、子供たちにとって「隣のおじいちゃん、町内の〇〇さん」という方が理想だった。地域の人材バンクや「学校応援団」の方のお世話になって探すことができた。
 茶道体験では、多目的室のような場所に畳を敷いて実施。講師の方は、お弟子さんも連れ、着物まで着てくださった。基本の礼儀作法もしっかり教えてくださったことで、逆に子供たちにとっては、室町文化への理解が深まった。
 茶道に限らず、どの体験でも歴史や価値について講話までしていただけた。

③狂言鑑賞教室

 修学旅行の目的地が東京であったことから、都内で、狂言鑑賞教室を実施した。
 「附子」の鑑賞後は、体験教室を行っていただいた。
 国語の学習と関連付けて実施したことは言うまでもない。

④人形浄瑠璃文楽鑑賞教室

 地域の文化振興事業に応募して実施しすることができた。
 義太夫の「ふるさと」大阪から人間国宝レベルの演者を招き、校内の体育館で鑑賞した。
 鑑賞後は、ミニ「人形浄瑠璃文楽教室」が行われた。代表の子による人形遣いの体験もあった。


 「体験教室」では、以上が主なものだが、もちろん、地域に残る様々な遺跡や歴史的建造物などの見学も複数回実施した。
 中でも、自分たちで目的地について調べ、選択した場所を公共交通機関を使ってグループで巡る「歴史探訪ハイク」は、子供たちの地域に対する「歴史の目」を広げていた。