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まちづくりにおけるファシリテーターの役割とは?[SIWR#13]

〜若手職員向け研修 基礎編〜

「インターン・ワークショップ・レポート」は、大学生によるワークショップ現場の率直レポートです。2018年から冊子として発行してきたものをnoteでは新旧織り交ぜて紹介していきます。
note版#13は、秋元さんによる『地域コーディネーター研修 基礎研修(2019年6月3日・13日)』のレポートをお届けします。

緊張の中始まった午前の部

今回のワークショップテーマは、「協働のまちづくり」。市民自治の視点や住民の先見性、行政の限界についての観点から事例を学びます。まず、まちづくり新時代の岐路に立つ区役所職員の現状への理解と、それに対応する必要性が説かれました。職員は、真剣な面持ちで聞き入っていました。

その後、市民文化局 協働・連携推進課から、「これからのコミュニティ施策の基本的考え方」について説明がありました。歴史を背景に、今後どのように捉えるべきか「希望のシナリオ」を手に皆で考えます。地域・区域・市域の各レベルでビジョンが描かれ、区域で課題解決ができるよう市民が主体となって地域活動を行い、地域の価値を創出すること。今、職員にコーディネーター力が求められていること。石塚計画デザイン事務所(以下、石デ)の千葉晋也氏は、「行政の仕事の仕方にとらわれない新しい発想でコミュニティに関わる視点をもっていただくために今回の研修がある」とまとめました。

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コーディネーターは、地域の特徴を把握しなければなりません。実際にデータを活用してチャート作成を行うと、職員たちの顔つきが変わりました。制限時間ギリギリまで真剣に討論が行われ、「こうできたら良いまちになる」など、ポジティブな意見も多く見られました。

グループワークを実践

午後は、石デの事例を元に地域課題の見つけ方を学び、課題を「見える化」して解決方法を探りました。模擬ワークでは、千葉氏自らファシリテーターとなり、希望者6人とグループワークを実演。なかなか希望者の手が挙がりませんでしたが、「誰もいないのなら私が」と数名の勇者によりワークがスタート。進行を円滑に進めるコツや紙に意見をまとめるノウハウを学びながら、グループの6人から川崎市の魅力について様々な意見が飛び出します。会場からは、ときに笑いも起こりました。

次に、プロッキーの使い方を教わり、実際に手を動かします。皆さん苦戦しつつも楽しそう! 氏名を書いて皆で写真撮影し、意見をまとめる「くくりの言葉クイズ」で頭を柔らかくしてから、ワークを実践。個性溢れる内容がしっかりと整理され、皆さん自信に満ちた表情で発表していました。

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ファシリテーターの継続的な学びを

初めてファシリテーターを体験した研修生。最初は消極的に見えましたが、最後に書き上げた台紙を拝見すると皆さんお見事!コツさえつかめば、誰もがファシリテーターになれるのかもしれません。インターンとして参加した私も上手にできるか不安でしたが、ワークを終えて少し自信がついたようです。グループワークなら、一人で考えるよりもずっと多くのアイデアに触れることができ、ワークショップを行うことで、さらに良いまちが目指せるのかもしれないとワクワクします。

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今回は書き方・まとめ方が重視されましたが、ファシリテーターの受け答えによってアイデアの深まり方が異なるため、継続的な学びが必要だと思いました。

○インターンレポーター:東京都市大学大学院 環境情報学研究科 都市生活学専攻修士1年 秋元 友里(開催当時)
○ワークショップ名:地域コーディネーター研修 基礎研修(川崎市)
○開催日時:2019年6月3日・13日
○実施場所:市役所第4庁舎2階 第1・2研究室
○参加者:区役所職員50人
○テキスト校正・添削:鈴木徳子(Writer/Editor)
インターン・ワークショップ・レポート
「インターン・ワークショップ・レポート」は、石デ(石塚計画デザイン事務所)のまちづくりワークショップの現場を体験した大学生の率直レポートです。
現場の様子が丁寧に綴られているだけでなく、ほっこりする感想や、意外な視点もあり、プロのファシリテーターも当日を振り返って刺激を受ける内容が詰まっています。
2018年から冊子として発行しているものをnoteでも新旧織り交ぜて掲載していきます。

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