「 」のない世界
過去を振り返り、本質に迫る〈妄想ワークショップ・レシピ#13〉
社会環境やニーズの変化により、「(何らかのモノゴト)」の見直しが求められるときは、その本質に立ち返って考えたい。
そして本質はそのままに、手段や機能による改善を図りたい。
今回は、そんなときに取り組みたいワークショップを考えました。
過去を振り返り、本質に迫るレシピです。
【レシピ】
3つのワークを通じて、「 」の改善について考えます。
1) 「 」のない世界
もしもこの世界に「 」がなかったら?
はじめのワークでは「 」のない世界を想像します。
"ない"を想像することにより、「 」の価値を逆説的に考えます。
例えば「黒板」のない世界だったら?
・大きく書いてみんなで共有できない
・高価な代用品だと教育現場に行き届かない?
・休み時間にいたずら書きしながら、おしゃべりできない
・黒板アートも生まれない、レトロな雰囲気を出せない
2) 「 」がもたらしてきた価値、そして本質
無いことを想像した1)のワークでの喪失感を頼りに、今度は真っ直ぐに「 」がもたらしてきた価値と本質を考えます。
「黒板」がもたらしてきた価値、「黒板」の本質
・常に教室にある、どの教室にもある
・見やすく、長持ち
・手書きの自由度、なんでも描ける
・コミュニケーションのインターフェース
3) 新しい「 」を考える
最後に、新しい「 」を生み出すアイデアを考えます。
本質はそのままに、手段や機能は全く新しい「 」を自由な発想で考えてみます。
新しい「黒板」のアイデア
・いつでも手書きで対話してくれる黒板bot(コミュニケーションツール)
・ある日の教室を再現できるログ機能つき(共有・参加・レトロ感)
・世界で共有できる黒板、翻訳つき(みんなで1つのものを見る・アート)
【ポイント振り返り】
例にあげた黒板の日本での普及は明治時代だったそうです。その後も色やチョークなど改善が積み重ねられ、教育現場を中心に活躍してきました。
歴史を深掘りすることで、本質を見つけられれば、未来への原動力になる。過去への振り返りを未来への発想につなげるワークを考えてみました。
妄想ワークショップ・レシピについて
未来をつくるのは妄想力。そして、ワークショップは「妄想作成装置」。
「妄想ワークショップ・レシピ」では、ふと思いついたけど実現には至っていないもの、まだ思いつきに過ぎない柔らかい状態のものを、楽しく妄想し、紹介していきます。
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