(7)矯正翌日にカラオケで一人2時間歌ってみた
こんにちは、あかつきです。
前回の予告通り、歯列矯正日記第七話は
「矯正翌日にカラオケで一人2時間歌ってみた」
これを予告した時の状況と、今の状況があまりにも違いすぎて
のんきな日記綴ってんじゃないよ! と今は自分に突っ込みたくなる気持ちも山々ですが、予告してしまったので今回はとにかくこのテーマで書きます。
週末に必ず声を出すことを習慣としてからもう約10年。雨の日も風邪の日も、(変換ミスじゃないのです)とにかく週一行かないと身体がなまる気がして。私の尊敬するイチロー様の「ルーティンをこなす生活」に感化された私はもう、これをやめることができない。やめるタイミングを失っていると言ってもよい。
私は全くスポーツをしないので、歌うことはエネルギーを消費して体が熱くなる感覚を唯一得られる貴重な時間。頑張って筋トレとかをすると体を壊す私にってはこれはジム通いと同じなのだ。
話が本筋から外れたけど、とにかく何が何でもルーティンなので、矯正し始めたからと言ってこれをちょっと休むということは自分が許せない。
さあ。
どんだけ歌うのにどんだけ苦労するかな・・・
一曲目:プラスティック・ラブ 竹内まりや(1984年アルバムvariety収録)94.437点
?
二曲目 もう一度 竹内まりや(1984年アルバムvariety収録)
94.544点
??
・・・めちゃくちゃ調子いい。
なんならいつも平均90点なのに、なぜだろう。
どうやら矯正しても歌唱には関係ないようだ。
むしろ・・・????? なぜ?
器具を付けてから、唾液がめちゃくちゃ出るんですけど、それが功を奏しているのかもしれない。
演歌歌手の坂本冬美さんは歌っているとき、実は飴玉を砕いた小さなかけらを喉の奥(舌の上だったかな)に潜めているそうだ。滞りなく歌うためには乾燥が大敵だそうで、そうやって見えない努力をしながら口内に潤いを保っているのだそうな。
飴玉を砕くという手間暇もかけず、幸運なことに常に潤いをお口の中に保持できる状態となった私はどうやら通常よりも点数が上がった、と分析をする。
さらに、乾燥しない喉を手に入れたということは、風邪もひきにくい身体になったんじゃないか? なーんてポジティブシンキング。
・・・と、ここでは馬鹿みたいに喜んでるが、後にこの潤いこそが、悪夢の始まりだということをまだこの時の私は知る由もない。
「器具を付けるとやたら唾液が出るようになった」
これね、なんでもそうですけど
人のカラダは異物を感じると水分を使って外に排出しようとしますね。鼻水、涙しかり。
そして、今回の唾液もおそらくそうなのだろうな、と軽く想像はしていた。
異物だよ、異物。
おまえ、はいってくんな! と口の中は大騒ぎ。
前回私は言いました。
思ったより痛くない。
全面撤回します。
・・・痛いです。
食べるときの痛みは思ったよりなかった。これはほんと。
ただ、器具が頬の粘膜を傷つける、傷つけまくるその痛みが想像を超えた。
口内炎とは? 私の概念の中の口内炎は熱が出た後にふつっと出現する小さな吹き出物というイメージだった。あくまでも私の中の。
皆さま口をそろえて言いました。
「矯正すると口内炎がひどくてね」
うんうん、口内炎か。
その時私の頭の中をよぎる口内炎のイメージと実際の今のこの、口内炎の落差がすごい。
これは私の知っているヤツじゃない・・・。
タダレです。お口の中全体焼けただれた。粘膜がめくりあがっております。
そりゃ、雑菌が繁殖しないようまっとうにカラダは反応をするのであり、大量に唾液を生産する。
カタル性口内炎、というやつである。
歌いながら零れ落ちるほどの涎を感じながら、(大げさじゃなくこぼれるのでハンカチで押さえる必要があった)わーい、わーいと無邪気に点数を見て喜んでいた私を今の私はどんな気持ちで見つめる?
ところで、口の中の感覚の中でいちばんしっくりするものを見つけた。
フジツボです。
海の岩場にがっつり貼りついている、あれ。
もう少し拡大した写真にしましょう。
これです。
子供の頃、これが気持ち悪くて悪くて、海水浴場では近づけなかった。見ることさえ怖かった。それが今私の歯の表面にぎっしり生息している。
あの、突起状の貝殻のガサガサの感触のあれが、歌を歌いながら全力で口を伸ばしたり縮めたりするたび、やわらかな粘膜を容赦なくこすりつける。痛いに決まっている。
歌っているときはドーパミン? なにミン? なにフィン? が出まくっていて悦に浸っている私は歌い終わって初めて口の中の状態に気づく。
こうして私の口の中は炎症いたしました。(※免責事項アリ)
おかげ様でおたふく風邪みたいにしもぶくれ。
顔の下半分が熱くて重くて、リンパも滞ってる様子。嗚呼ブス。
と、言っても、死ぬわけでもないし、普通に生活できるし、
気にしてるのは多分自分だけ。
カラオケだけでなく、他のルーティンもすべて普通にこなしている。
朝起きる。パン食べる。会社に行く。ランチを食べる。同僚と雑談する。商談で30分喋る。テレビを見てよじれるほど笑う。寝る。
これがちゃんとできる。ランチ後、喋った後、痛いけどね。でも、できる。なら、良いじゃん。
そしてさらに、翌週も懲りずに歌いに行くが、受付のお姉さんSさんはまだ私の矯正に気が付かない。そんなもんよな。
ちなみに、Sさんは籠にグラスやマイクをセットしながら
「あら〇〇さん(私の苗字)、髪伸びましたね」
「その手袋かわいいですね」とちょっとした変化に気づいて気さくにお話をしてくれる。
がっつり目を合わせて会話しても全く気付いていない様子。普段顔色を見て「どうしたんですか?」「やせませんか?」とか言ってくれるのによ。
そんなもんね。
そしてSさんは今日チョコレートをくれました。バレンタインって。
その気遣いに私は涙が出た。
カラオケの受付ってそんなに人情味を全面に出さないのが普通じゃない?
そんな中、その普通を覆すSさんはすごい、と思って涙が出た。
優しさに癒されたら、痛みも軽減した、気がする。
そしてなぜか再びプラスティック・ラブで高得点。
AIは私のちょっとしたメンタルの落ち込みなんかには全く気が付いていない。まだまだ人智には及ばない。
(※)免責事項
この日記に登場する情報、見解はあくまでも個人的な見解であり、その真偽を確定するものではありません。「本当ですか?」という姿勢でお楽しみいただけると幸いです。
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