ページをめくるように曲を聴く
こんばんは。伊勢雄真です。今日も一日お疲れさまでした。
今日は音楽の話をしたいと思います。と言っても、僕は音楽自体を掘り下げられるほど楽典の知識に精通してません。なので歌詞に着目してお話ししたいと思います。
今回、題材に取り上げるの Official髭男dism の「Driver」という楽曲です。先日の自己紹介でも触れました。早速見ていこうと思います。
1番Aメロ
スマートフォンの業務も全く楽じゃないよな
もうタイムアップだよ いつまで寝てるの?
大きな声で騒いで 君をベッドから追い出した
着替えを急いでよ そんな顔すんなよ
出典: Official髭男dism「Driver」
休みの日の朝。主人公は"君"と予定があるんですね。もう出発の時間だから起きてよと。しかも、スマートフォンの仕事を主人公は心配している。五度寝くらいしていそうです。
それでもって主人公も結構ないきおいで起こす訳です。ひょっとしたら、ずっと前からスマホと一緒に起こしていたのかもしれない。スマホに同情する気持ちも分からないでもない。それで"君"は不機嫌な顔になっちゃうわけです。
それでは、1番Aメロ後半です。
予報は曇りのち晴れ 気温は少し低いけど
行きたいとこへ行こう 遠慮はいらないよ
目的地が決まったら 僕がコースを探し出すよ
たまに間違えるけど ご愛嬌ってことにしといて
放物線をイメージして
出典: Official髭男dism「Driver」
天気の様子です。なるほど、少し寒い日のようです。主人公と”君”との仲とは対照的に描いているのでしょうか。行きたいところに行こうと君に目的地を訪ねています。ドライブのことでしょうか。2人のこれからのことでしょうか。そこに対して主人公は少々方向おんちのようです。ご愛敬ということにしてね。これから間違えることがあっても見切らないでとのお願いにも聴こえてきます。
そしてこう言うのです。「放物線を描いて」と。直線のようにまっすぐではなく、かといって連続していなかったり角ばることもない。曲がりながらも”君”の行きたいところへ進んでいこうという意図だと思います。
どうやら藤原さんはかなり放物線が好きなようです。2020年に発表されたパラボラという楽曲もあります。これは英語の放物線にあたる単語です。人生の歩み方を放物線になぞらえているのですね。
1番サビ
1番サビを見ていきます。
打ちぬけDriver 噂で溢れた街のどこか
君を希望のど真ん中 連れて行くから
何千何億通りの 転がる未来から
1つを選んだら 天井のない世界のどこか
優柔不断の最中 照らし出すから
高く上がったボールの その先へ行こう
It's a beautiful beautiful day yeah
It's a beautiful beautiful sky
出典:Official髭男dism「Driver」
噂にあふれた、希望のない街を抜け出そう。君を希望のどまんなかに連れていきたいから。希望を何千何億通りの転がる未来から1つだけ選んで、限界のない世界のどこかへ行こう。そう”君”に語り掛けるのです。
この次の優柔不断の最中というのは、方向おんちな主人公と重なる姿と思います。そして、”君”と過ごす毎日が美しい、”君”との未来(=空)が美しいと言うのです。ここだけ英語なのが印象的ですね。
2番Aメロ
バッテリーのことなら まだ気にしなくていい
その指でタップして いつでも呼び出して
星の数を数えたって 案外アテにはならないよ
そこら中でSearching for 直感のフラッグを目指して
さあ用意はいいかな?
出典:Official髭男dism「Driver」
さあ、1番と状況は変わります。バッテリーの心配をしている”君”に主人公はまた語り掛けるのです。
そして星の数を数えてもアテにはならない。これは本当に衝撃を受けた歌詞です。僕は初めてこの楽曲を聴いたとき、まったく理解できませんでした。なんで、いきなり星なんだ!?そう思いました。それから幾日かたったある日気づいたのです。ウェブサイトの評価のことだと。この時の感動は言い表せません。ほんとうにこの方の紡ぎだす言葉には足元に及ばないと思い知らされました。
”君”の直感を信じて、二人は目的地へと向かっていくのです。
2番サビ
いつだってWanderer 偶然見つけた写真のどこか
予想外のど真ん中 追いかけるんだ
他の誰かが 気に留めなくても
関係はないさ 君の心を震わす何か
その輝きの在り処 確かめなくちゃ
追い風の向こう 一緒に行こう
It's a beautiful beautiful day yeah
It's beauty for beauty for us
出典:Official髭男dism「Driver」
いつも偶然で予想外のどまんなかを追いかけるんだと主人公は語ります。1番では"君"の希望のど真ん中に連れて行くのに対して、一緒に歩んでいく印象を受けます。それを他の人が気に留めなくとも関係ない。"君"が何に感動して、その輝きのありかを確かめないとね。遠回しに、君以外の人は興味なんてみじんもないよと伝えているようです。
この後、再び1番のサビが続きます。
まとめ
全体としてこの楽曲はスマートフォンが大きなキーワードであると考えます。更に、スマートフォンやインターネットは便利である一方で、しがらみの一つであると投げかけられている気がします。インターネットでの検索結果の評価ではなく自分の直感を信じてほしいと訴えたり。インターネットの情報では得られないような、偶然で意外な世界に行こうと誘ったり。スマートフォンの目覚まし機能や検索機能は否定せず、自分の感性も信じよう。そう問いかけられている気がします。
今回のテーマの楽曲です。
本文中で紹介したパラボラです。ぜひお聴きください。
音楽を聴くときに、本を読むように聴く。これは音楽の楽しみ方の一つだと思っています。一つの紡がれた物語を音とともに楽しんでみてください。
ということで、長々とお話しさせていただきました。やはり、藤原聡の感性は素晴らしいなと改めて実感しております。また、このような形で楽曲の歌詞の意味を考察したりしていきたいと思います。来週は僕の小説の読み方について執筆するつもりです。ぜひご覧ください。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?