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『FACTFULNESS』(ファクトフルネス)をやっと読んだという話


この本と私について
2020年8月22日(土)、午後11時頃、標記の本を読み終わった。2019年1月1日購入なので、一年半以上も読まずに置いていたことになる。他にも積読が大量にあり、少しずつ読み進めている今日このごろである。この本に関しては、電子書籍で買っていたので部屋のスペースを圧迫していたわけではないが。

 

この本は今でも書店のよく見える所に置かれ、結構売れ続けている印象。私も発売当初にTwitterで本の噂を見て買った。最初の方はすぐに読んで面白い本だと思った。しかし、あろうことか、続きを読まずに放置してしまった。

 

ずっと放置してしまっていたのは、この本がつまらないからだとか、決してそういうことではない。最初の方だけ読んで全体について分かった気になってしまっていた。本当はすぐに最後まで読むべきだった。

  

 この本について、および感想
著者はスウェーデンの医師であり、公衆衛生学の専門家でもあるハンス・ロスリングとその息子夫婦。ハンスはTEDトークでも有名だったらしいが、私がTEDトークを見ないので知らなかった。

 

読者が世界のことをどれくらい知っているかチェックする13問のクイズが最初の方にある。貧富、教育、健康、人口、災害、環境などに関するもの。

 

このクイズはもう結構有名みたいだし、本自体もかなり売れたみたいだから、みんな簡単に解けるのかもしれない。でももしまだ読んでない人がいたら、最初のクイズだけでも解いてみてほしい。下のページで、本と同じクイズ12問に挑戦できる。本では13問だが1問だけ簡単すぎる問題があったのでそれは下では省略されている。



私は全然正解できなかった。しかしできなくても恥じる必要はないと著者は言ってくれる。著者は世界中のいろんな場所でいろんな人たちに同じ問題を出してみたが、ほとんどの人が正解できなかった。高学歴で国際問題に関心のある人々でさえも。著者に言わせると正解率も間違え方もチンパンジー以下だそうだ。チンパンジー以下とはどういう意味かは是非本を読んで確認してほしい。

 

著者は、クイズに正解できないことを恥じるのではなく、世界の見方についてなぜ錯覚に陥ってしまうかを考えよう、と提示する。そのことを言っているイントロダクションに、この本がどんな本かよく言い表した文章があるので引用する。

この本は世界の本当の姿についての本でもあり、あなたについての本でもある。あなたや、わたしが出会うほとんどの人がありのままに世界を見ることができないのはなぜだろう。どうすれば世界を正しく見られるのだろう。そんな疑問にこの本は答えてくれる。(『FACTFULNESS』イントロダクションより)

そして私たちが世界について誤った判断をしてしまう原因として10の本能を挙げ、章ごとに一つずつ解説してくれる。

 

この本の面白さの一つとして、興味深い話を織り交ぜて分かりやすく10の本能について解説してくれていることが挙げられる。著者ハンスがアフリカで医師・研究者として経験したこと、さまざまな国際的な会議で講演した際にあったエピソード、ごく個人的な話。私が印象深く感じたのは第10章「焦り本能」でのハンスの懺悔。過去の過ちが書かれているが、それを明かすには深い苦悩もあったのではないかと想像する。

 

また、人類を所得水準に応じてレベル分けし、大陸ごとに人口がどのように推移していくか、ということを押さえて進める議論が分かりやすかった。

 

最後には著者が心配している5つのリスクが挙げられる。そのうちの一つが「感染症の世界的な流行」だった。まさに今、新型コロナウィルスの問題が起こっているが『FACTFULNESS』を読んだ経験を活かして考えてみようと思った。

 

「おわりに」には、この本の出版時期に著者ハンスがどのような人生を送っていたのかも書かれてあり、それを読むと大変な熱のこもった本であることが感じられ、じーんとなった。

 

この本を誰かにオススメするか
すでにたくさん読まれているのでオススメする必要はもうないかもしれないが、まだ読んでいない人には積極的にオススメしたい。世界のことを知りたいと思っている人が最初に読む本として良さそう。

 

また、著者ハンスの人生のストーリーとして読んでも面白い。

 

世界の貧困や健康を問題にしている本なので、難しい話や悲観的なことがたくさん書かれているのではと思う人もいるかもしれないが、全然そんなことはない。易しい文章で分かりやすく、希望に満ちあふれた1冊だ。数字やグラフはよく出てくるのでそこは頑張って読まなければいけないけれど。

※2020/8/23にはてなブログに書いたものをnoteに移行しました。

 

 

 

 

 

 

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