男性は視覚から、女性は聴覚からと言いますが
まったく自慢にならないどころか、むしろ恥ずかしいことだと思ってはいるのですが、わたしも根はかなりの男嫌いです。
(父親との確執がかなり根深いので)
(なんせ父個人だけの話ではなく、彼が背負っている親族までもが含まれるので、そりゃあ根深くもなります)
なのでここんとこ話題が続いた、男性の不貞行為並びに性犯罪行為について、聞いているだけで胸が悪くなっておりまして。
厳密には、不貞行為と性犯罪とでは、社会として扱うレベルが違うので、ごっちゃにすべきではないのですけども。
実際ごっちゃにしてしまい、プライベートの不貞行為でしかないものを犯罪扱いするご意見も多く拝見し、それはちょっと筋違いだなあと思って眺めておりました。
ということでいずれにせよわたしも根深い不快感を持ちながらこの話を聞いている、というのを背景としてご理解いただきたいのですが。
不快に思いつつも興味深く思ったのは、男性女性の性的欲求の違い。
不倫相手の女性の容姿や経歴が取り沙汰され、あげく、メディアに流れている写真ではミニスカートを着ていることまでもが話題となるのを、ふうん、と聞いて(読んで)おりました。
男性のご意見として、その女性が元グラビアアイドルであることも踏まえ、外貌の「セクシー」な魅力ゆえ、この不貞行為は「やむをえない」としているのが多く、それを見聞きして、やっぱり「わかんねー」となりました。
たしかに、きれいな方なので、ミニスカートもよくお似合いです。
そういう女性が目の前にいたら不貞行為も「不可避」であり「無罪」とのこと。
そうかー。としか言いようがないですねこちらとしては。
以前から聞いていたことなので、男性は非常に視覚的な刺激に弱い、というのは知ってはいたのですが。
しかし、理性をなくすことが「当然」と言われるほど強力なものだとは「感覚的には」わかんないなあ、と思ったんでした。
でもこれで解けた謎が一つある。
最近はようやく聞かれなくなりましたが、以前にはネットを見ればしょっちゅう目にしていた
「ただしイケメンに限る」
という文言。
これ、個人的には不思議でなりませんでした。
これは男性が女性に向かって「イケメンならいいんでしょ?」と揶揄と侮蔑を込めて(場合によっては卑屈な気分も)投げつけてくる言葉ですが、これが不思議で。
鬱陶しい行為や痴漢などの犯罪行為、しかしそれもイケメンなら許すんだろ? というのですね。
そんなわけあるかバカ、というのがわたしの思うところでした。
女性は基本的にはうっすら男が嫌い。これは本能的なものなので理屈ではない。(いえ、言おうと思えば理由は言えるけど)
女性は男性を嫌っているというのがデフォルトなんですよね。
嫌っているというと言葉が強くなってしまいますが、まあ、警戒するとか、一定の距離は保っておこうとする。
自己防衛本能といえばわかっていただけるでしょうか。
これが基準なので、その上で、その野郎が不快なことを言ったりしたりしたら、あなたねえそりゃもう論外ってやつですよ。
うっすら嫌いのデフォルト値から一気に警戒レベルが最高にまで上がってしまいます。
この点においてイケメンもクソもない。
どんなイケメンであろうとも「気持ち悪い男」になるだけです。
性的欲求において、男性は視覚から。
女性は聴覚から、と言われます。
つまり女性は男性ほどには外見のことなどさして重要視していないわけですね。
わたしは逆に、あの「イケメンに限る」の誤解は一体どこからきたんだろう、と不思議に思っていたんですが。
人は自分のことを基準にしてものを見聞きし考える。
つまり男性は、異性においては何よりもまず「視覚的な情報」が優先される。
その、自分たちの性癖をそのまま女性も同様であろうと当てはめて考えるから、ああいう、それこそ「キモい」こだわりと文言になったのだななるほど、と、頷かれたのでございました。
女性が異性の外見を重視しないなんて嘘だとおっしゃる向きも大勢おいででしょうし、おっしゃることもよくわかります。
女性も異性に好意を持つ「きっかけ」として、外見を重視することはあります。
でも、その重視のレベルが男女では違う、ということです。
女性の場合は、外見を見てどれほどいいな〜と思っていたとしても、その男が痴漢だったり、レイプ犯だったり、セクハラ野郎だったりモラハラ野郎だったりした場合、それこそ「100年の恋も冷める」のですね。
恋が冷めるどころじゃない。
今回のことでも、ちまたの女性たちがどれほど(性犯罪ではないレベルでの不貞行為〝だけ〟で)激しく嫌悪をしているかを見れば分かる通りでして。
それまでの好意的なものなど嘘のようになくなって、この世でもっとも汚らわしい、厭わしい存在に落ちるのです。
この場合、顔がいいなんてことはなんの救済にもなりません。
しかし——、とも思ったのは。
外見がよろしくない女性としては、男性がそれほどまでに異性の外見をポイント高く評価し、好きという感情の源泉になっているということを見ますと、絶望的ですねえ(笑)
いやまあ、わかっていたことではあるけれど。
男性の恋は絵画を見るようなもの。
女性の恋は音楽を聴くようなもの。
というのは斎藤一人さんの用いた例えなんですが、なるほどなーという感じです。
あと。
これは相応に親しくなってからの話ではありますが、女性の場合、聴覚以外に触覚も重要です。
日常的な場面で、手に触れる、ハグする、手をつなぐ、といった身体的な接触、その感触によって、信頼感と愛情、安心感がもたらされる。
そういうとすぐにセックスに持ち込もうとする男性がいますが、これは誤解です。
日常的な、親愛の情を示す触れ合いが大事ということなんですよ。
幼い子どもとの関わりかたと同じと言えるのかもしれませんね。
(多分これはオキシトシンと関係あるんだろうなと個人的には思っているんですが、どうでしょうね)
ということで。
その「違い」については以前からうっすら聞いて知っていたとはいえ、今回の、不貞行為に対する、世の多くの男性からの肯定的ご意見に圧倒され、また絶望をも、あらためて覚えた——というお話でした。
もちろんそういう条件には当てはまらない、精神的に非常に成熟した男性も決して少なくはないことも、承知しております。
そういう方には、こういう「感想」はかえってご不快でしょう。
大変失礼をしております。m(_ _)m
その違いを乗り越えようとはわたしにはあまり思えませんで(もともとあんまりやる気がないタイプ😅)、ただ、双方で、そういう違いがあること、それはどんな違いか承知しておくことが、要らぬ摩擦を回避する「知恵」になってくれるのではないか、と。
そんなふうに期待しております。