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Billboard Top100を振り返る    1980 24th Teri DeSario & KC 'Yes, I'm Ready'

さて、1980年の第24位は、愛のデュエット、Teri DeSarioさんと、あのSunshine BandのKCさんのお二人の曲ですね。渋い曲ですが、まさにその通りで、Barbara Masonさんが、1965年に5位までヒットさせた曲なんですね。かくれた名曲のカバーですけれど、男女のデュエットで歌っている以外は、オリジナルの曲そのままです。

さて、この二人がなぜ組んだのかというとクラスメートであったと、まあ、そういう関係だったようですよ。アメリカにホリコシ学園があるとは思えませんが、後のスターがたまたま同じクラスで学生時代を過ごすことなんてあるんですね。下世話な話が好きな私にとっては興味深い話ではあります。

さて、このTeri DeSarioさんですが、1984年に日本だけで大ヒットを飛ばすんですね。これ、今回たまたま再発見したのですが、その時のSonyのカセットテープのコマーシャル・ソングとして使われたという事なんですね。Overnight Successという曲ですよ。

確かに、このCM見たことあるわ。

このみんなでくるくる回って踊るシーンはよく覚えてますね。ちょうどFlash Danceが流行っていて、夢に向かって、たとえ困難であろうとも立ち向かっていく若者の姿を描くことが流行っていた時期でした。でもこの曲は忘れてたなあ、ましてやTeri DeSarioさんが歌っていたとは知りませんでしたよ。Sheena Eastonさんだと思ってました。

ちょっと調べますと日本のオリコン誌(小池社長ですね)の洋楽チャートで11週連続1位だって、すげえなあ。ほんとかよ。本家のFlash Dance - What a Feelingよりもヒットしてるんじゃないですか。日本発の洋楽ヒットソングですね。当時の空気とバッチリあってますよ。

ついでだから、そのOvernight Successのフルバージョンも載せておきましょう。

このPatrickさんの笑顔、覚えてますねえ。今でも結構活躍されているみたいですよ。

いま、このCM見返してみると、ちょっと複雑な感情を覚えますね。これから、約40年が経っているんですが、この時の20代の若者の方が生き生きとしているというか、夢に向かうってことが、まあ健康的に描かれてますよね。

いま、どうなんだろう。

これね、今の20代の人たちの責任ではなくって、この80年代に10代、20代だった人間が、今60代、50代になっているんですが、そのいまや中年から老齢となった人間が、今の若者にこれぐらいの夢を見させるような世の中を用意できたのかなって、思うんですよね。これねえ、結果としてはできなかったという結論になるんですが、この社会の変化ってなんなんでしょうね。もちろん、私も50代の人間なんでこの問題の真っただ中にいる訳ですし、責任がないとは言わないけれどね。

年金や、教育格差や、もっと根本的な貧困なんかで世代間格差なんて言われますが、やはり10代、20代の人間は歌って、踊っていてほしいなあ、って思うんです。象徴的にも実質的にも。

貧困の話、格差という問題も、80年代にも顕在化していたし、今の世の中は、その80年代よりも確かに裕福にはなっているんです。Factfulnessって本がありましてね、これは確かなことなんですが、そうした金銭的、統計的な面ではなくって、なんだか陰鬱な話題が多くて、若い世代もそれに飲まれてしまっているような気がするんです。

情報が多すぎて、うまく扱えていない、もしくは悪い面ばかりが強調されてしまっているのかもしれませんが、なんかねえ、この80年代の明るさって今はないですね。

日本だと60年代の安保の大騒ぎ、70年代の白けたムード、80年代の明るさ、好景気と大雑把につかむとこんな感じになるかもしれませんが、その後の90年代、00年代以降には、こうした総括もできないほど、一言で表せる「雰囲気」がないような気がするんです。

資本主義が成熟したとか、民主主義の限界とか、そんなことかもしれませんが、そうした政治、経済というちょっと生臭いところから距離を置いたところに文化、特にカウンターカルチャーって存在するのではないかな。今はどうも政治、経済のうさん臭さが、文化までも覆っているような感じで、自由に発言や、息をすることさえもできなくなっているような、そんな感じではないかなと。

若い人にはデモにさんかするばかりではなく、自由に歌って踊っていてほしい、とは思うだけなんですけれどね。若い人に限ることもないか。

ま、こんなところでこんな文章書いているワタクシも、多少の閉塞感は感じながらも生きているわけでして、いろいろ苦慮しているわけですが、まあ、これからもよろしくお願い申し上げます。


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