アリーナロックの萌芽がみえる Billboard Top100を聴き返す 1981 10th REO Speedwagon 'Keep On Loving You'
1980年代のロックの流れを見てみると、フェスティバルの流行(隆興)というのが見逃せないんです。いまだに伝説と言われ続けるWoodstockが有ったにもかかわらず、70年代にいまいち盛り上がらなかったのは、ヘルス・エンジェルスが大暴れとか、運営側の問題もあると思います。その辺の改善があって商業的にもいける、となったのは、例えばオリンピックとかスーパーボウルとか、大観客を集める催し物がだんだん一般的になってきたという理由もあるんでしょう。
ただ、70年代にDiscoがブームになって、従来のロックの人気に陰りが出たこと。NewWaveもクラブとか小さい箱が中心だったんで、大規模な会場でできるほどの集客力も乏しいという点もまだまだあったんでしょう。
ただ、この70年代に地道に活動をして、ライブ全米を回っていた、このREOとか、STYXとかがチャートに出るようになってきて、いわゆる産業ロック、Sing Alongな曲が出てきたことが結構影響してるんじゃないでしょうかね。彼らの活動で、死にかけたロックが、この時点でまた芽吹いてきて、それが後のロックの人気につながるんじゃないかと思うところもあるんですけれど。
といっても、アメリカで80年代前半に行われたUSフェスティバルだと、結構NewWaveの連中が出てるんですよね。83年の開催だと、NewWaveデイとHeavyMetalデイとして日程が分かれていたものの、いわゆるOldとNewをほぼ同列に扱うようになっていたんですが、これがかえって両者の諍いもなくして、ロックのすそ野を広げたような気がします。
REOさんのこの曲も、この後のLAメタルやBonJovi系統の連中がやるようになったパワー・バラードに近い感覚がありますね。アメリカンハードロックと言われる曲も、その原点にカントリーがあるもんですから、まあ、当然と言えば当然なのでしょうけれど。
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