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これは忘れられたSUKIYAKI。Billboard Top 100 1981 22nd Taste of Honey 'Sukiyaki'

なんでこの時期に「上を向いて歩こう」が改めてヒットになったのか、って全く不思議な現象でもあるのですが、どうも1981年というのは1960年代のヒット曲のカバーとか、当時活躍していた人のリバイバルなんかが多いんですよね。

この曲も、Taste of HoneyのJanice-Marie Johnsonさんが、「この曲好きだったの」といった理由だけでカバーしたようなのですが、そこはプロの仕事、きちんと作詞者の永六輔さんにアドバイスをもらって、結果新たな英訳を施したというんだから、すごい入れ込みようですね。

ここのビデオでも見られるように、彼女が和服姿で歌っているのですが、その和装がきちんとしているんですよね。足袋も履いているように見えますしね。このころ、日本を描いた映画(例えば''Gung-Ho''とか)にもみられるように、アメリカ人が描いた日本人、日本の文化の描き方ってひどくってね。中国、韓国の文化が入り乱れていたり、何もわかってねえな、というのが多かったんですよね。これはVan Halenの’Hot for Teacher’とかのMVでもそうだったんで洋楽ファンでも話題になったもんです。

でもここまで完璧に日本の文化を体現したアメリカ人のミュージシャンはいないでしょう。本気だもんね。バックの琴の音は口パクかもしれないけれどさ。

だけどこのバージョンが日本で完全に忘れ去られているんですよね。これは特筆してもいいんじゃないかと思うんです。

まあね、日本じゃ、この1980年でも和装で扇子持って歌う人っていなかったですしね(今でも扇子もって舞台に出るのは綾小路きみまろさんぐらいでしょう)。こうしたズレというのはあったし、洋楽を聴きたい日本人には、いくらいい曲だとは言え、「上を向いて歩こう」はイマイチ受けないでしょ。

でもカバーとしても、この曲は原曲と比べても遜色ないし、年間チャートで堂々22位ですよ。今でもこの曲自体はアメリカでも人気があるようなので、何かの機会に、彼らのバージョンの’Sukiyaki’が見直されてもいいと思うんですよね。

ちなみに、彼らのグループ名はこの曲からとっているそうです。これは彼らをレスペクトするために、張り付けておきましょう。この曲もカバーする人が多いのなんの。



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