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冬の空に獅子が舞う、御頭神事

1〜2月にかけ、伊勢市近辺の宮川流域の神社では、御頭(おかしら)神事が行われています。御頭神事は養和年中(1181〜1182)に、飢餓や悪疫を祓い清めるために踊り舞ったのが起源とされています。
早朝から夜までの一日がかりと言うところが多いですが、地域によって内容や時間が異なります。2月8日に行われた、伊勢市内で隣接する町内2カ所に伺いました。

七起こしの舞

午後に「村松の御頭神事」へ。こちらは500年以上の歴史があります。
町内各所で辻舞が行われていました。「七起こしの舞」と言って、能管と和太鼓の奏楽と共に、八岐大蛇が須佐之男命に退治される様を表現しています。

ヘイバイ(太刀舞)

最後に「ヘイバイ(太刀舞)」と言う町内の辻周辺で集めた穢れや災いを斬り払い清める儀式が行われ、辻舞は終わりました。御頭さんに頭を噛んでもらいましたヨ。

千引神社の積木場での火祭り
提灯片手に「カシコイ! カシコイ!(頭来い!)」

夕方になり、東大淀(ひがしおいず)の御頭神事へ行きました。
17時半より火が焚かれ始め、19時頃に御頭が登場。一日の厄払いで皆の一年の災厄を全身に受けた御頭さんが、火に自らを投じ厄災を焼き尽くそうとします。村人が火に入らせまいと提灯を押し付けながら、「カシコイ! カシコイ!(頭来い!)」と執拗に呼びかけます。

御頭さんが火の中へ!

しかしその甲斐なく、御頭さんは火の中に消えていってしまう・・・。とても迫力がありました。

800年以上の歴史を誇り、御頭神事としては唯一、国指定重要無形民俗文化財に指定されている「高向(たかぶく)の御頭神事」があります。高向以外にも、今回ご紹介した村松や東大淀を含め、様々な特色を持つ御頭神事があるので、今後も色んな御頭さんに会いに出掛けたいと思います。


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