身切り
こんにちは、高等遊民です。最近甘酒にハマっていて、青い缶の冷やし甘酒をしこたま蓄えて1日2本くらい飲んでいます。たまには温めてみようとマグカップに移して何の気なしに「あたため」ボタンを押したらレンジの中で沸騰してしまいました。皆さんは爆発させないように気をつけてください。
さて、11月も半ばです。神宮で人混みに揉まれながら年越しをした光景がつい昨日のことのように思い出されますが、季節は春を越え夏を超え、長い秋の暮れに冬を感じる冷たさが潜んでいます。それでも今年は暖かいですね。暖冬というよりは暖秋といえばいいのか、とうとう日本は四季を失ってしまうのではないかと思うほどです。それにしても今年は色々なイベントがあったはずなのに、ほんの瞬息。「光陰矢のごとし」という言葉を初めて口にした人もきっとこんな気分だったのでしょう。
最近インターンで銀座にメチャクチャ行っている高等遊民なんですが、銀座ってガチで外国人ばかりなんですよね。大陸の飛地みたいになってます。ぼくの中の銀座といえば華やかな街でしたが、そんなのはバブルが弾けた30年前の話で、現実はインバウンドの街です。観測する限りでは、ハイブランドの入場整理列は90%くらいが中国の方です。
ところでブランド品って人の欲望が具現化したようなものですよね。そのもの自体の価値(原価)と比較すれば、法外とも思える金額を最も容易く払ってしまう精神状態。承認欲求をくすぐり満たすもの。ブランド品の魔力です。でもそういう価格設定のおかげで「これを買うために頑張るんだ」みたいな目標になったりもするわけですから、良いものを持っている人が素敵に思えたりもします。
コンゴには給料の4割を高級スーツの購入に費やす(=サップ)人々がいます。最初ぼくはブランド品を「欲望」だなんて穿った見方で切り捨てましたが、彼らの写真を見ているとどうもそれは筋違いな指摘に思えてなりません。彼らにとってハイブランド品に身を包むことは紳士の嗜みであって、そのために働くことができるほどのモチベーションの源泉でもあるのです。
かくいうぼくもブランド品を愛用しています。Brooks Brothersのスーツを数着気に入って使ってますし、革靴もJohn lobbのを履いているので、完全武装すれば40万円はくだりません。スーツも革靴もいいものなら手入れすれば10年くらいもつと言われているので、安物買いの銭失いをするくらいならと買ってしまいました。でも大枚叩いて買ったスーツを着ると自然と気合いが入ります。ハイブランド品はモチベーションにもなりうるし、モチベーションを与えてくれるものでもあるということです。
ところで「パパ活ランドセル」なんていうパワーワードがブームらしいですね。パパ活をしている女性が背負いがちなDiorあたりのトラベルパックの揶揄ですけれど、ブランドからしたらたまったもんじゃないです。消費者はブランド名に大金を払っているわけですから、名前が穢れたら誰も手を出さなくなってしまいます。ブランディングコンサルタントの人は今頃頭を抱えていると思います。
パパ活ランドセルなんて言葉は争いしか産みません。パパ活されてる方も所持品でバレて印象悪くなりやすくなりそうですし、パパ活以外の方法で自力で頑張って稼いで買った人は巻き添えですし、当事者ブランドも困るし。ライバルのブランドもいつ足元を掬われるかわからないので何とか対策をしなくてはいけません。第三者がSNSでぶっ叩く時には使いやすい言葉かもしれません。なんだこの地獄。
ぼくの周りにもパパ活を(おそらく)している人がいます。中学時代は失礼ながら冴えない感じの女の子だったんですけれども、最近やたら都内高級ホテル高層階のお部屋の写真をインスタに顔出しで投稿していて、多分全部のパーツの整形が終わったんだろうなぁと邪推せずにはいられません。お金を払ってコンプレックスが消えるなら、それはそれでいいんじゃないかって思いますけど、ゴール(過程かも)にパパ活があるのはどうなんでしょうか。金銭的に整形とパパ活ってやっぱりセットなのかな。成金おじに接待して得た資金で承認欲求を満たしているとしたら、非常に残酷な構造に思えてなりません。
悪口ですが、パパ活女子たちは水物なので今を生きることにかなり必死です。パパ活をし始めたあたりから予定をパトロンに握られているのか、付き合いが極端に悪くなった同級生がいるというような話を彼女から聞いたことがあります。それもある意味で戦略的な生き方だと思います。こういっては失礼ですが彼女たちの実力的に、正攻法ではどう足掻いても稼ぐことができない金額を稼ぐことができるのですから、人間関係をリセットしてしまうことなんて造作もないことなのかもしれませんね。
彼女たちを否定する筋として、よく税金・確定申告が挙げられています。ぼく的には倫理観の一本足打法でも十分議論できると思うんですけど、分かりやすく脱法行為なので議題に上がるんでしょう。こう言っては失礼ですが、彼女たちの7割くらいはそもそもパパ活に係る税制を知らないんじゃないかと思います。雑所得は取られても20数パー(高いけどね)ですが額面によっては100万円も超えてくるので深刻な脱税になります。本人たちはその自覚はないことはおろか納税の仕方さえよくわかってないのではないでしょうか。だから、故意に脱税しているインテリパパ活女子は一旦おいておいたとして、脱税だからと責めるのは効かないだろうなぁーって感じがしますね。
で、そのインテリパパ活女子ですよ。たまに名門大学生でもパパ活してる人がいますが、そういう人の割り切り方ってめちゃくちゃダサいなって思います。(いきなり感情的)知恵が回らないで目先の欲に負けてやりはじめる哀れな人ならまだしも(もはや社会福祉の対象)、そういう少し考えればわかる人が「減るもんでもないし」的な言い訳をしているのは見るに耐えません。確かにお金なんていくらあってもいいですし、お金が欲しいなあってなる瞬間はみんなあると思いますが、こころを満たす資産ってのは個人差あれどそんなに高くない位置に限界効用がある気がします。それが高すぎる人でも見直しの余地が十分にあるはずです。本当にバーキン必要ですか。好きなアーティストに貢いでたほうが幸せじゃないですか。それってそんなに派手にお金かかりますか。お金かける以外にも方法ありませんか。出演してる番組ラジオに手紙送ってみるとかやってみましたか。的な。極端な例ですけども。
端的に言えば、自分を安く見積もりすぎだし、本質的価値の追求が甘すぎるんじゃない?って感じですね。だからパパ活してる人を見るとただ虚しい気持ちになるんです。なんかそれらしい理由でぼくを納得させてくれる人がいたら、ぜひ教えて欲しいです。以上、高等遊民でした。ご読了ありがとうございます。