マイ・ビューティフルホーム
『ねぇ・・・帰りたいよぉ』
『うん、わかってるよ』
『でも、どこに帰りたいのか、わかんないんだ』
『ボクにはちゃんと、わかってる』
『ねぇ、僕はいつ帰れるの?』
『まだまだ、ずっと先だよ』
『・・・早く帰りたい』
『大丈夫、ボクがその時まで、ずっと一緒にいてあげるよ』
『でも、もう帰りたいよぉ・・・早く帰りたいよぉ・・・』
そう言えば、その頃から僕はなぜか「帰りたい」という言葉が口癖になっていた。家にいる時も、外を一人で歩いている時でも、何かというと、その言葉が無意識に口をついて出ていた気がする。
一体、僕はどこに帰りたかったのだろう・・・
(「マイ・ビューティフルホーム」より抜粋)
母子家庭、異父きょうだい、そして母の自殺・・・月双ノンモが自身の四半世紀を描いた全71ページの私小説「マイ・ビューティフルホーム」です。
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