【プロジェクト紹介②】遊びと学びをグラデーションで。蔵レモネードプロジェクト
お疲れ様です!りさです。
プロジェクト紹介第二弾、いきます。今回は「蔵レモネード」プロジェクト!
【概要 - 蔵レモネードプロジェクトとは?】
あなたは、何かを企画して販売し、改良し、また販売し…というプロセスを繰り返したことはありますか?
このプロジェクトは、わらじ荘の隣にある「蔵」を秘密基地として、3ヶ月間、小学生と大学生が一緒にレモネードを販売するプロジェクトです。
キッ◯ニアみたいな職業体験的なものかな?と思うかもしれませんが、このプロジェクトは一味違います。
これは単なる体験ではなく、「遊びと学びが両立する教育プログラム」の土台を作るプロジェクトなんです。
このプロジェクトを通して小学生に学んでほしいのは、いわゆる「PDCAサイクル」。Plan(計画)、Do(実行)、Check(測定・評価)、Action(対策・改善)を循環して、改善を重ねていくフレームワークです。
小学生とミーティング(計画)を行い、試作を行いながらレモネードの味やトッピング、売り方を一緒に考えます。
そして実際に販売(実行)し、
お客様や大学生からフィードバック(策定・評価)を貰い、
それを基にまたミーティングを行ってレモネードや接客方法を改良(対策・改善)し、
また販売する、を繰り返します。
楽しくレモネードを作って販売しながら、PDCAサイクルを回す。「遊びと学びが両立する教育プログラム」を実践しているのが、蔵レモネードプロジェクトです。
プロジェクトを開始したきっかけ
学童で勉強が苦手な子に向けて行われた「探究塾」。“楽しく学ぶ”をテーマに、ピタゴラスイッチなど手を動かして遊びながらも学びになる授業を行っており、子供たちに大人気です。そこから“楽しく学ぶ”重要性を知ったそう。
小さい頃って、「遊び」と「勉強」を「楽しい」か「楽しくないか」の0か100だと思いがちじゃないですか?それで勉強を嫌いになってしまう。
だけど探究塾のように、遊びの中に学ぶ要素を入れられば。
例えば、「遊び」を80、「学び」を20。割合を都度調整して、遊びと学びのグラデーションを作ることができれば。
子供たちのなかでもだんだん境界が無くなっていって、楽しく学べるようになるのではないか?
そう考え、このプロジェクトが始まりました。
ちなみに何故売るのがレモネードかと言うと、アメリカでは子供がレモネードスタンドを経営することが、幼い頃からビジネスを体験できる手段として有名だからだそうです。
大学生の役割は?
販売など全体の支援をしながら遊びと学びのグラデーションを調整する“遊びと学びのバランサー”。
出店を通して課題を考え、子供たちがPDCAサイクルを回して課題を克服できるよう、気づきを与える仕掛けを考えます。
その一つとして「蔵レモBOOK」をご紹介!
レモネード販売の手順から、小学生が活動の中で考えたこと、振り返りなどを記入するワークシートまで、蔵レモのいろはが詰まっています。大学生が毎回考えるための仕掛けをつくり、かわいいデザインに落とし込んでいます。
また、小学生たちと決めた配合のレモネード原液の量産などを行っていました。わらじ荘では、しばしば大量のレモンを切って煮込む蔵レモのメンバーが見られました。
【これまでの活動】
期間は6月〜9月の3ヶ月間。長いようで短い期間ですが、 その間に5回のミーティングと、4回の販売を行うことができました。
・初回ミーティング
西部地区の小学校と、大学生とこどもが交流するコミュニティを中心に宣伝し、集まったのは2〜6年生までの様々な学年の小学生が13人。大学生のメンバー6人でサポートしていきます。
レモネードを試飲し、どうしたらより美味しくなるか、皆でレシピを考えました。
・KONA CAFE プレ出店
最初の販売は、リーダーの光南さんがわらじ荘で定期的に開いている「KONA CAFE」での出店という形式で行われました。
緊張しながらも、注文を取り、お会計をして、レモネードを作ります。
その後、お客さんから頂いたフィードバックを基にミーティング。
更に後日もう一度ミーティングし、レシピを新たに考え直しました。
2グループに分かれて美味しい味はどちらか考えたり、各自でトッピングを持ち寄って、どれが一番レモネードと合うか比べたりしました。
・はこだて国際民族芸術祭
そして初めての本格的な出店は、はこだて国際民族芸術祭への二日間の出店!
二日間とも百杯以上売れ、見事完売!!
子供たちのモチベーションも更に高まり、元気にいらっしゃいませ!と言えるようになっていきました。
それからもミーティングを行い、味や接客についてより追求を重ねていきます。
このあとはイベント出店が2連続!
・青柳バザー
青柳小学校の夏祭りと青柳町会のバザーをコラボさせた、青柳町をあげてのビックイベント!
午前の時点で100人以上が来場し、閑静な青柳町に賑わいが生まれました。
レモネードはここでも爆売れ。
文字通り、爆売れです。
注文が来すぎて、お客さんを待たせてしまったり、順番がわからなくなってしまったり、子供達がそれぞれの役割に夢中になりすぎて残数が頭から抜けてしまい、販売できる数以上に注文を取ってしまったり…
反省点も多い販売でした。
・バル街
「ISARIBI withわらじ荘」ということで、わらじ荘の駐車スペースにて蔵レモもドリンク提供で出店。これが最後の出店になります。
しかし青柳バザーの直後にこのイベントがあり、じっくりミーティングすることはできていません。そこで販売にあたっての注意点を子供たちにわかりやすく伝える方法として実施したのは、演劇!
「持ちばを離れない」「困っていたら助ける」といったメッセージを、演劇でコミカルに伝えました。
そうして、ほとんどミスすることなく全てのレモネードを販売することができました。
私も頂きました。飲んだのはプレ販売以来だったのですが、味がしっかりレベルアップしているし、何より驚いたのが、プレ販売の時は恥ずかしそうな小さな声だった接客が、バル街ではわらじ荘の中にいてもハッキリ聞こえるほどになっていたこと。
「いらっしゃいませー!!!!!」
「レモネードいかがですかー!!!!!!」
皆で言う掛け声は、音圧を体で感じるレベル。小学生たちの3ヶ月での成長を全身で感じました。
最後の出店と書きましたが、スペシャル拡張版!ということで、参加を希望する子供たちと11月3日の大門学生祭にも出店予定です。
これが最後の出店!販売するだけでなく、ちゃんと子供たちへの学びも準備中です。
あの子たちの3ヶ月の集大成。まだ飲んだことがない方は、ぜひご賞味あれ!
【代表の想い】
森山 光南(教育大4年)
子供達にはこのプロジェクトを通して、PDCAサイクルを他のことにも応用できるようになってほしいです。物事をより良くする方法を知ることで、自分が持っている無限の可能性を自覚してほしいという願いがあります。
それ以外にも学べることが沢山あります。挨拶をしっかりすること、困っている仲間がいたら助け合うこと、言われて嫌な言葉を相手に使わないことなど。
アメリカのレモネードスタンドは基本的に1人でやるものなので、これは「チームで活動する」ことによって得られる、蔵レモならではのメリットだと思います。」
【メンバーの想い】
萩原 天理(教育大2年)
「子供が好きで、学校の外の、地域でやる教育に興味があったので、このプロジェクトに入りました。
どんな学びを伝えて、どうやったら一番分かってもらえるか試行錯誤して考えるのは、難しいけれど楽しかったです。」
【おわりに - 取材をしてみて】
PDCAサイクルの回しかた、「どうすれば売れるのか」を考えて実践すること、そしてそれを考えると自然と必要になる気持ちのいいコミュニケーション。1回やって終わりではなく、繰り返して改善を重ねていくことの重要さ。
子供たちは、大きくなってからも存分に役立つ、活きた学びを沢山得られていると思います。教育は効果が出るのが遅いと言われがちですが、プレ販売からバル街での変化で、彼女らの成長はしっかりと感じられました。
ここから更に年月が経って、参加した子たちが成長していくのが楽しみです。