【編集後記】函館地域承継ストーリー#4
函館水産物卸売市場に入ったのは初めてだった。
水産ならではの磯の香りが漂う。函館の香りだ。
館内図を見て四苦八苦していると、階段を降りてきた女性が親切に場所を教えてくれた。小西商店は2階の暖簾があるところだそうだ。
事務所ではコーラを片手に小西 一人さんが迎えてくれた。世間話から始まった取材。緊張がみるみる解けていく。小西さんはコミュニケーションの天才だ。
思えば、小西さんとは不思議な縁があった。東京有楽町でのイベント。普段、東京にいる私は、函館と聞いて一も二もなく参加した。そこでお会いしたのが小西 昭会長だ。
翌日、函館大門横丁で呑んでいると、偶然ご子息の小西 一人社長とお会いできた。二日続けてのご縁である。小西さんの話がおもしろく、後日の取材をお願いしたのだった。
インタビューは冗談も交えながら楽しく進んだ。気づくと1時間半も話してしまった。外に出るともう夕暮れ時。「また飲もうよ。」と声がけをしてくれた小西さんと別れ、懐かしくなって出会ったお店にお邪魔した。
1時間もしたころだろうか、小西さんがやってきた。一瞬の”また”である。つくづくのご縁に感謝。
取材・執筆担当 豊島翔