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コンビニ人間を読んだ感想

ネタバレを書いています。

他人からの評価より
「自分のやりがい」を優先すると
人間として生きていける

古倉恵子は最初から最後までコンビニ人間なのだが
最初と最後では全く違うコンビニ人間になっていた

他人から「変な人」「あっち側」と思われないため、
自分も社会の歯車の一部になれている事の安心感のために
つまり、周りの目を意識して働いていた最初の方は
まるで機械の様なロボット・コンビニ人間という印象が
最後の就職の面接に向かう途中で寄ったコンビニでは
コンビニの声をしっかりと聞き、
それに答えている、覚醒したコンビニ人間へと成長している印象を得た
周囲の目を気にすることを止め(白羽と結婚した方が、就職した方が、普通と思われるが)自分のやりたいことを優先させた古倉恵子は
コンビニのガラスに映った自分の姿を見て
生まれたばかりの甥っ子を思い出し、ガラスの向こうのコンビニで響く音に
自分の細胞が呼応している姿はまさに、コンビニ人間が誕生した瞬間で
周囲の目を気にせず自分のやりがいを優先した
キラキラと輝きながら働く姿を想像できた

根掘り葉掘り聞かれる鬱陶しさ、
その質問で普通じゃないと思われた時の目
恋人が出来たと思われた瞬間に18年間誘われなかった飲み会に
白羽というダメ男と一緒に飲み会へ是非!と誘い出す気持ち悪さ、店長や同僚が仕事よりも古倉のプライベートへの関心を優先させた時の気持ち悪さ
白羽の様に他人の欠点を指摘するが同じことを自分も他の誰かにしてはいないだろうか。
普通じゃないと思った人を見下したり、頼まれてもないのに普通側へ修正しようとお節介をしてないか
登場人物が全員、私に当てはまるのではないだろうか?
この本を読んで自分は、他人を無意識に傷つけていないだろうか?と
白羽とまではいかないが古倉が付き合ってると勘違いした時の店長や同僚みたいになってないだろうか
いろんな意味でハッとさせられる本でした。

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