術後の吐き気と眠れない夜
手術当日の苦しい夜が開けて翌日。
体にはいろんなチューブが繋がれてるわ、縫合した箇所は高い焼き肉みたいなカッティングされたスポンジの中におどろおどろしい色の傷跡が見えるわ、そんな朝を迎えました。
早朝に採血してその後血液検査の結果を知らされたんだけど、どうやら炎症があるらしい。
でもどこに炎症があるかは分からないって。
今考えると、この2週間後、小腸が膿んで腸閉塞(イレウス)を起こして再手術されるんだけど、もしかしてこの炎症って小腸だったのでは?…なんて素人考えで思うんだけど、今さら究明しようもないし、したところで何が変わるわけでもないから「そうだったのね」ということで流しておこう。
この日は理学療法士の先生が来てくれて、立つ練習から始まったんですが、これが非常に苦しい。
腹筋が使えないというのは、まずベッドから起き上がることすらできないものなのね。
私達は普段何も考えずに、寝て、起きて、歩いてしてるけど、腹筋が使えないと何も出来ないということを知らされた。
腹筋さん、今まで、割れてないだとか、贅肉で見えないだとか、色んな機械買って鍛えようとしたけれどまったく続かないだとか、それはまぁ不当な扱いばかりしてきてスマンカッタ。
私の貧弱な腹筋は、きちんとやるべきことをしてくれていたのですね。
お医者さんからは「できるだけ歩いて体動かして」と言われてるので廊下を少し歩くのですが、まともに歩くことも出来ず部屋の入口くらいまでしか行けなかったと思います。
こんな生まれたての子鹿くらいしか歩けない人が、この後ほんの1週間もしたら筋トレしながら廊下歩き回るようになるんだから、つらい時期というのは案外あっという間なのかもしれない。
さて、本題ですが、手術後数日間は、とにかくずっと吐き気があって、気分が悪くて、つらかったです。
こんな状態なので、点滴には吐き気止めと、夜には睡眠剤を入れてもらってたんだけど、よく眠れませんでした。
幸い個室だったので、夜中目が覚めて眠れなくて、テレビを見てようやくうつらうつらしてきたら朝、という日が続きました。
テレビの深夜番組ってCMが多いんですね。
そのCMの半分くらいはビールだったりお酒のCM。
シュワアアアア!
って弾け飛ぶ泡と酒。
そのたびに込み上げてくる吐き気
想像してみてください。
二日酔いで今にも吐きそうなときに、強制的に延々と見せられるビールのCM。
最後にはお酒のCMが流れるたびにミュートして目をそらすようになりました。
他にも深夜流れるのはバラエティ番組の再放送らしく、だいたいどの番組見ても何かしら食べ歩きしてたり。
お前ら、タレントを地方連れて行って旨い物食べさせておけば番組成立すると思ってるんか、と。
その度にこっちは吐き気が込み上げてくるんですよ、と。
脂たっぷりのステーキをうまいうまいって食べてるシーンを吐き気と闘ってる患者に見せるな、と。
えぇ、完全な逆恨みです。
とにかく
術後とテレビの深夜番組は組み合わせが悪かったという話です。
ところが、この吐き気。
どうやら全身麻酔後に副作用として起こる吐き気では「なかった」ことが、この翌日(術後翌々日)判明します。