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口にしなくなった言葉

↑と、いうわけでですね。
入院、手術という体験をして以来、口にしなくなった言葉があるんですよ。

ちょっと大変だったー、みたいなニュアンスでよく言いません?

「死にそうになった」
「死ぬかと思った」

死にません。

死なないから。


入院して、看護師さんやお医者さんが、あんなにがんばって患者さんを健康にしようとしている姿を見てしまいまして。
「絶対に死なせないからなー!」
という気概を見てしまった気がして。

死にもしないのに軽々しく「死ぬかとおもた」なんて口にするのは失礼な気がして。

そろそろ死という漢字がゲシュタルト崩壊してきた頃ですが。

そういうわけで、この表現は口にできなくなりました。


でね、入院してるときにこの話を看護師さんに話してみたんですよ。

「いさおさんも結構大変でしたけど、こんなんじゃ死なないですよw」
って笑って応えてくれました。

ふと思って

「あのー、じゃあ本当に死にそうな人って分かるんですか?」

と恐る恐る聞いてみたら

「あっ…、あー。うん…。なんとなくね。なんかそういうのは違いますねぇ」

ってバツが悪そうに教えてくれました。

まぁこれはお一人の方の感想なので、感じ方は人によって違うと思いますが。


そういうわけで、人を死なせないためにたくさんの人が努力しているのに、死にもしないのに大変さを表すための比喩的表現として「死」という単語使うのは良くないな、って思った次第です。

まぁ、つい言っちゃうんだけどね。
でも、思わず口にしてしまった後にハッとして、
「死にそうになった、あ、いや、死なんけどね」
って付け加えるようになりました。

意味あるんか?

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