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動け、動け、動け!動いてよ!!
手術後2日目
痛い。
気分が悪い。
吐き気止まらん。
人生初の手術だったけど、正直、舐めてた。
「捌かれてる時間は全身麻酔で意識無くて、手術終わって麻酔から冷めたら痛い時間は終わってる」
と思ってた。
体切って縫われたら、もうそこで痛いの終わりって思うやん。
だってさ、ドラマやアニメとかで手術終わった人って、だいたいベッドの上で上半身だけ起こしてピンピンしてるやん。
尿道カテーテルやドレーンに繋がれてゲェゲェ言うてる描写ある?
ないやん。
そんなシーンあっても誰も喜ばんのかもしれんが、真実を描いて欲しいと思いました。
この日、1日中
「気分が悪くて吐き気がするよぉ」
と看護師さんに訴えていたのですが、16時頃に来た看護師さんが私のお腹をさすってくださって
「ん?」
と首をかしげたのです。
「ちょっと待っててくださいね、先生呼んできますから」
とお医者さんを呼びに行ってくれました。
もし、この看護師さんに塩対応されてたらもっと大事になった可能性あったのかも。
そこからかなーーり時間が経ってお医者さん到着。
どうやら手術かなんかをしていた模様で遅くなったらしい。
聴診器あてたり、お腹を触ってくれたりしてたのですが、私の脇腹をグーッと押し込んで
「こうやって押し込むのと…」
「はい」
「離し…」
「ぎゃああああああああ!!!!!!!」
押し込まれてた手をパッと離された瞬間、激痛で叫び声上げました。
めちゃめちゃ痛かった。
どっちが痛いですか?って聞くまでもない。
それでお医者さんすべてを察したようで
「いさおさん、腸閉塞ですね」
機能性イレウスってことで、腸がまだ動いてないんだってさ。
なんでも、大腸の一部を切り取って残った部分をくっつけても、「ハイ、元通り」ってすぐ動くわけじゃなく、大腸さんも戸惑っているとのこと。
なるほど、腸の長さ減らされて出来ること少なくなって、人手減らされてるのに求められる仕事量は前と同じ、ってそりゃ文句も出ますわな。
というわけで、春闘だかストライキだかで、腸が機能を停止したらしい。
腸がストを起こしてるのに、胃液だの胆汁だのは出荷はするども受け入れ先が閉鎖されて、てんやわんやになっているようです。
意識高いビジネス系note風に言うと、私の体内でサプライチェーンが混乱をきたしているわけです。
お医者様曰く
「大腸が動き出すまでしばらく待ちましょうね。それまでは絶食です。」
はい、分かりました。
てゆうか、常に吐き気が込み上げてきてるのに食欲なんてありません。
「鼻からストローみたいなのを入れて、胃に溜まったものを抜けば楽になるんだけど、それ入れるのがちょっとだけしんどいんですよね」
そうか。
ちょっとだけ、しんどいのか。
でも、それで楽になるならその方が良いかな。
「どうしますか?」
ちょっとだけならがんばります。
「じゃあ準備しますね」
しばらく後、お医者さんと看護師さんが色々なグッズを持って部屋に帰ってきました。
鼻から入れる「ストローみたいな」チューブをぺりぺりぺりーと包装から取り出します。
ストローって言ったよね。
ストローって言ったよね。
それ、どうみてもタピオカ飲むストローだよね。
ストローっていうか、ホースやないかい、それ。
マジか、それ鼻から入れるのか、いや、無理やって、それ。
「はい、じゃあ入れますね」
お゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!
弾け飛ぶ、涙、鼻水、汗、唾液、胃液、なんか色々出てくる液。
看護師さんが私を押さえつける。
「我慢してー!」
え゛ほ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!!
こんなことを3回は繰り返したでしょうか
なんとか管を体内奥深くまで入れ終わった頃には、私は大量の涙と、大量の汗でグチョグチョになって息も絶え絶えにゼーハーゼーハー言ってました。
その状況がこちら
(大変お見苦しい写真が現れますので苦手な方はスクロールしてください)
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なにが「ちょっとだけ」しんどいや。
最大級の苦痛やったやないか。
この太さのチューブが鼻から喉通って胃まで通されるんよ。
吐き気を取るために吐かすって、本末転倒やないかい。
ただ、悪いことばかりではなく、確かにこの管(イレウスチューブっていうらしい)を入れて溜まった液体を抜いてもらうと、吐き気は楽にはなりました。
だいたい3時間経つと気分が悪くなってくるので、ナースコールします。
そしたら看護師さんが、一昔前のコントに出てきそうなバカでかい注射器(シリンジ)を持って来てくれます。
で、このチューブにシリンジつけて、ズゴゴゴゴゴと引っ張って抜いてくれるんですね。
そしたら、黄緑色の気色悪い粘度の高そうな液体がズルズルと出てくるわけです。
(またもや大変お見苦しい動画が現れますので苦手な方はスクロールしてください)
当然寝ていても数時間経つと気分が悪くなってくるので、深夜だろうが、早朝だろうが、3時間おきに看護師さん呼んで抜いてもらってました。
本当にありがとうございます、看護師さん。
イレウスチューブ入れてしばらくは喉に管が通っていて唾飲み込むことすら不快な感触がずっとありましたが、人間慣れるもんで3日も経つとチューブが刺さっていることを忘れるくらい気にならなくなりました。
結局5日くらいはチューブ入れて、数時間おきに抜いてもらってました。
最後に、もうチューブ不要ですねとなって、管を引き抜くときは
ズリュン!
って鼻から引っこ抜かれて、なんていうか爽快でした。
…実は、その2週間後には再入院して、またイレウスチューブ入れられる羽目になるんですけどね。
その時は定期的に自動的に抜いてくれる機械に繋がれてたので看護師さんの手を煩わせませんでした。
とにかくイレウス起こしちゃったので、絶食は10日まで伸びたり、ずっと定期的に吐き気がでるようになったりと、けっこう大変でした。
なにより鼻からチューブ入れるときの苦痛が今思い出しても辛かった。。。
腹腔級手術からの機能性イレウス起こして、術後けっこうしんどかったことの話でした。