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世界で一番美しい紅葉の国
春のお花見と秋の紅葉狩り。日本人にとって定番の季節を感じるイベントですね。紅葉狩りというのに、どうして桜狩りと言わないのか。それは、平安時代にまで遡るようです。当時貴族たちは、さくらを自宅に植え、その美しい花を楽しんでいましたが、もみじは山まで行かないと見ることができず、紅葉は狩りに行かなければいけなかったとか。
ということで、昨年は行動を自粛していましたが、今年は京都の紅葉の名所を巡り、改めてその美しさを堪能しました。紅葉が美しくおこなわれるためには、朝晩の冷え込みと十分な日光、そして適度な水分が必要ですが、京都は全ての条件を満たしています。
ところで、紅葉といっても、赤くなる葉と黄色になる葉がありますよね。同じ木でも緑〜黄〜赤色と実にさまざまです。このメカニズムはご存知ですか。緑色は例の青汁とかサプリメントとかで有名な「クロロフィル」が主人公ですが、葉の中には同時に黄色の物質である「カロチノイド」が存在しています。普段は緑が優勢なんですが、秋になり養分を作る必要がなくなると「クロロフィル」が分解されてしまって、黄色だけが残り黄葉になるわけ。
さらに赤色になるのはどうしてか。それは、葉の根元と枝の間に「離層」と呼ばれる仕切りができて、光合成で作られた糖が葉から枝などに届かなくなると、葉に残っている糖分が化学変化することにより、赤色の「アントシアニン」という色素が作られて鮮やかな赤色になるわけ。そろそろ紅葉狩りも終盤ですが、残り少ない紅葉を愛でてみませんか。