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小名浜天狗伝説 (恋愛小説 / 1)
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小名浜には、青い鳥居がある。
青の色は、青春、青年、青二才・・・といった言葉からわかるように、ヒトが本来持つはずの純真無垢な心を意味する。
生まれてすぐのお宮参りに始まり、人生の節目ごとにこの鳥居をくぐる小名浜の人々には、自ずと美しい純な心、魂が宿る。
無垢な恋心をもつ。
馬波倫子は、そんな町小名浜で育った。
日本の高度成長がひと段落した時期に裕福な商家の一人娘として生まれた倫子は、何の不自由もなく、おしとやかに成長し、やがて界隈の良家の子女が通う小名浜純心女学園に入学した。
烏の濡れ羽色の長い髪をもつ女学生・倫子は、箱入り娘特有の控えめな性格でありながらも、その類い稀なる器量により、界隈の男子学生たちの憧れの的であった。
そして、17歳の時に、初めて恋をした。
だが、その恋は、残念ながら実ることはなかった。
幼馴染みアキラのバイクでの事故が原因で、あっさりと倫子の前から、姿を消してしまったのである。
倫子と同じような境遇に育ち、幼少の頃は引っ込み思案であったアキラの、思春期における港町特有のやんちゃを気遣うことで、倫子の恋心が芽生えた矢先の出来事であった。
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水戸市在住の新社会人です。
昨年の就職活動中に、ちょっと不思議な体験をしましたので、そのことについて投稿してみようと思います。
その頃ぼくは同い年の彼女とつきあっていたのですが、あまりうまくいってなかった、というよりも、ほぼ別れる寸前でした。
その原因は、ぼくの就職活動が順調でなかったということもあったのでしょうが、実際のところは二人のセックスにありました。
お互いが初めてのパートナーだったせいもあってか、どちらも快感に至ることが一度もなかったのです。
とても仲が良かったはずなのですが、そのことで関係がギクシャクしてしまい、デートすることも疎遠になっていました。
そんな時、福島県いわき市にある「小名浜港」を一人で訪れました。
小名浜は、ぼくの住んでいる水戸から、およそ九十キロメートル。混んでいなければ車で一時間半くらいで行くことができます。
「東北の湘南」と呼ばれ、気候も温暖。
少し開放的な気分に浸って、心機一転をはかろうと考えたわけです。
小名浜を初めて行った海外旅行先であるタイプーケット島をイメージしていたのかも知れません。
正直言いまして、ちょっぴりエッチなことを期待していました。
- タイ プーケット島 -
プーケットには、大学一年生の時に同じ茨城県立大学の男友達と二人で訪れました。
飛行機が苦手なぼくですが、バンコクから乗ったタイ航空のキャビンアテンダントの方々の微笑みに、心を穏やかにしてもらい、緊張することなく搭乗できた記憶があります。
プーケットはまさに楽園のようなところでした。
毎日がとても刺激的で、当時まだアルコールをいただく習慣はなかったのですが、スパイスの効いたお食事とともに、その土地のビールを来る日も来る日も堪能していました。
ハジけちゃった。
そんな感じでしょうか。 三週間ほど滞在しました。
女性との初めての体験も、その時です。
プーケットで初体験と言うと、みんな、いわゆる買春をしたのだろうと想像するようですが、ぼくにはそんな勇気はありません。
ぼくたちと同じようにバカンスに訪れていた年上のOLさんに経験させてもらいました。
ぼくは、子どもの頃から、すぐにおどおどしてしまう引っ込み思案な性格で、同世代の女性には、あまり相手にしてもらえないのですが、年上の女性には意外とイケるのです。
このルックスがいいのでしょうか。
小学生くらいの頃から、「ジャニーズに入ればいいのに」 そんなことを大人の人たちによく言われていました。
プーケットでも、彼女たちの方から「学生さん?」と声をかけてきました。 プーケットに到着して、一週間ほど経った頃だったと記憶しています。
食事の後、ほろ酔い気分で友達と二人でオープンエアのバーで、トロピカルカクテル『セックス•オン•ザ•ビーチ』を楽しんでいる時に、明るい笑顔で二人の女性が声をかけてきたのです。
二人は自分たちのことを「二十八歳のオフィスレディ」だと言っていましたが、ぼくは嘘をつかれたと思っています。
おそらく、四十歳前後だったのではないでしょうか。
目尻のシワがそれを物語っていました。
でも、とても綺麗でした。
ぼくに体験させてくれた方は、歌手の榊原佳恵さんを連想させる、いわゆる大人の女性でした。
その時は、初めから終わりまでリードされっぱなしでした。
言われるがまま、なされるがまま。 そんな感じでしょうか。
「学生さん?あたしたちも二人だから、よかったら一緒に飲みませんか」
声をかけられカウンターから円卓へ席を移動して、その夜はスタートしました。
彼女たちも、やはりトロピカルカクテル『セックス•オン•ザ•ビーチ』を頼んでいました。
「場所を変えましょうか」
きっかけを作ってきたのも、やはり彼女たちからでした。
「どこに行く?あたしはムエタイが観たい」
その後ぼくの相手となった女性(ここでは仮によし江さんとしておきましょう)が言うと、もうひとりの女性は、
「ムエタイなんて野蛮。あたしは、星空が見たいの」
なんて言い出す始末。
別にぼくたちは、ムエタイだろうと星空だろうと、どちらでもよかったのですが、 「じゃあ、あなたたちでジャンケンをして」
ぼくがそのジャンケンに勝つと、
「勝った方が、ムエタイね」
後から言われて、結局、二手に分かれることになりました。
もともと決めていたみたいです。 よし江さんが、ぼくだということを。
ムエタイの会場に向かおうと、彼女たちが借りていたレンタカーの助手席に乗ろうとした時もそうです。
「ムエタイって、どこでやってるの?」
自分からムエタイが観たいと言ってきたはずなのに、ぼくが、
「え、どこでやってるんだろう」
と戸惑いを見せると、
「これだからダメね。学生さんは」
なんて言われて、結局、彼女たちが泊まっていたホテルで、今度は二人きりで、飲み直しすることになりました。
そもそも、そんな時間にムエタイの興行なんてやっているはずがないです。 その時既に二十二時を過ぎていましたから。
友だちの方は、ぼくたちが泊まっていたホテルで、やはり飲み直したそうです。
ホテルで、 「それでは、そろそろシャワーでも浴びましょうか」 口火を切ってきたのも、やはりよし江さんでした。
(続く)