航空気象(潜熱)
潜熱に関する記述(a)~(d)のうち、正しいものはいくつあるか。
(1)~(5)の中から選べ。
1 潜熱とは、物質の温度は変えずに、物質が固体、液体、気体に変化するときのみに費やされる熱をいう。
2 物質は、固体から液体、液体から気体へ変化するとき、および固体から直接気体へ変化するときは熱を放出するが、この熱は潜熱である。
3 物質は、気体から液体、液体から固体へ変化するとき、および気体から直接固体へ変化するときは熱を吸収するが、この熱は潜熱である。
4 水蒸気を含んだ空気が上昇し飽和温度まで冷却されると水蒸気は凝結をはじめ、熱を大気から吸収する。この熱は潜熱であり大気を更に冷却する。
正しいのは1個あります。
さあ何番が正しいのでしょうか?
1 潜熱とは、物質の温度は変えずに、物質が固体、液体、気体に変化するときのみに費やされる熱をいう。
・・・物質の温度変えずに固体、液体、気体に変化させる方法が無いっす!というわけで不正解
2 物質は、固体から液体、液体から気体へ変化するとき、および固体から直接気体へ変化するときは熱を放出するが、この熱は潜熱である。
・・・熱を放出するのではなく、吸収します。イメージしやすい例としては、腕に水をつけて乾かしたときに「冷たい」ですか?「暖かい」ですか?「冷たい」ですよね。これは水(液体)が肌の熱を吸収しているからです。
「液体→気体→固体→液体」:は吸収
その逆である「液体→固体→気体→液体」は放出 と覚えましょう。
というわけで不正解
3 物質は、気体から液体、液体から固体へ変化するとき、および気体から直接固体へ変化するときは熱を吸収するが、この熱は潜熱である。
2番の逆を言ってますね。正解です。
4 水蒸気を含んだ空気が上昇し飽和温度まで冷却されると水蒸気は凝結をはじめ、熱を大気から吸収する。この熱は潜熱であり大気を更に冷却する。
気体→液体(雪や雹なら固体)の変化なので、熱を放出します。
この現象は「乾燥断熱減率」と「湿潤断熱減率」の説明にも使います。
湿度100%の状態で冷却が始まると(高度が上がると)水蒸気が水になります。その際597cal放出するので減率が下がりますね。(なかなか冷えないとも言えます。)