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Vacuous ninies

リサはマリブ・ステーシー(Malibu Stacy)人形でお人形ごっこをしている。マリブは大勢の前で壇上に上がり、演説をするという設定だ。

しかし、マリブが実際に発した言葉は「学校でショッピングの仕方を教えてくれたらいいのに(I wish they taught shopping in school)」とか「Let’s bake some cookies for the boys (男の子にクッキーを焼いてあげましょう)」と、リサの思惑とは違う。

リサがそのとき発した言葉が「Vacuous ninnies (空っぽのバカ)女になるじゃない」だ。Vacuous は空虚に、ninny はスラングで「バカ」の意味。

“Million of girls will grow up thinking that this is the right way to act”
たくさんの女の子がこうやることが正解だと思って成長しちゃう

“That they can never be anything more than vacuous ninnies”
頭空っぽのおバカさんになる

“Whose only goal is to look pretty, land a rich husband“
唯一の目標が可愛く見せて、お金持ちの旦那をもつことで

“and spend all day on the phone with their equally vacuous friends“
1日中同じ空っぽの友だちと電話して

“talking about how damn terrific it is to look pretty and have a rich husband”
可愛く見せることと金持ちの旦那をもつことがすごいって話すのよ


うちには女の子がいる。彼女にはロボットとか電子機器を与えて、いろいろ作らせてきた。おかげで、同学年の子に比べると、工作が得意だ。でも、小学5年生のある日、「うちを男の世界に引き込まないで。ロボットは男の世界なんだから。うちは女の子らしいフワフワしたもので遊びたいの」ということだった。

男の子は戦隊モノ、女の子は人形。それは生まれ持った性によるものなのか、文化によるものなのか? これは科学業界では、ずっと論議されてきたトピックだ。科学の世界に女性は少ない。看護や薬学に女性が多いので、それなりに増えているが、数学や工学になると、男性優位だ。

いろいろと研究の結果、「女の子らしさ」は性(さが)よりも、文化的背景の影響が強いらしい。うちの子が電子工作よりも、ふわふわ人形に行くのは、社会がそれを求めているから。らしい。

というわけで、アメリカでは女の子向けの理系おもちゃの専門メーカーまで、登場している。例えば、https://goldieblox.com

リサの話に戻ろう。彼女は巷に溢れるチープな「女の子はこうあるべき」に向かって戦う。自立した女性の人形を作ることになる。

これでハッピーエンドといきたいところだが、シンプソンズはリアリティに溢れていて、帽子の可愛い新しい人形に負けてしまうのだ。

*リサ・シンプソン(8才)
シンプソン家の長女。サックスを愛し、プロミュージシャンになることを夢見る。学業優秀。将来は女性大統領??


シンプソンズ シーズン5 第14話

 


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