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ネイチャーゲームリーダー養成講座に参加してみた!

2024年10月26日-27日にネイチャーゲームリーダー養成講座@帯広の森はぐくーむに参加してきました。ご一緒したみなさま、ありがとうございました!

ネイチャーゲームは、おもにグループで五感で自然を楽しみ、気づいたことや感じたことをシェアして自然への愛着を深めるアクティビティのこと。わたしがnoteでちょくちょく紹介している「自然観察会」とは厳密には少し違うのですが、新鮮な気持ちで自然を感じるにはとても良いアクティビティだと思いました。

この記事ではわたしが個人的に「すげぇなぁ」と思った点をいくつかご紹介します。気になったかたはぜひネイチャーゲーム公式ホームページをご覧ください。

1.自分の五感を研ぎ澄ましてくれる

  ネイチャーゲームでは目隠しして木を触ったり、自分にとっておもしろいと思える葉っぱをひろって紹介したり、夜の暗闇の中で音だけを聴くなど、観・聴・嗅・触・味の五感をふんだんにつかうアクティビティが多く用意されています。最初は「えー目隠しすんの?」とか「おもしろい葉っぱって何さ」「くらいこわい」など参加者はすこし戸惑うものなのですが、おっかなびっくりアクティビティにトライしてみると、目隠しするまでは意識することすらなかった樹皮の形や手触りが、葉っぱの形や色合いが、闇の中で鳴く野鳥や落ち葉の落ちる音が、実際にやってみるまでは想像もしなかった解像度で頭の中に飛び込んできます。まるで自分が生粋の野生児か仙人になったような感覚になります。

 ネイチャーゲームのなかにはこの「五感のセンスを研ぎ澄ます」という効果がとても強いものがあり、アクティビティをやる前と後では見聞きする世界の情報量が大きく異なりました。クリエイティブな活動や山や森など自然環境で過ごす時間が多い方がネイチャーゲームをやると、自分の周囲にあるものから感じ取れるものがぐぐぐっと増え、仕事の質やレジャーの充実具合がぐっと高まる気がします。そうでない方にとっても、この五感のセンスが研ぎ澄まされた状態は通学路や通勤路などふだん通い慣れている風景の違う側面を見せてくれるので、日常が非日常的に感じられるという不思議な体験を得られそうです。めっちゃ気分転換になるので、現代風に言うと精神的なストレスや疲労に対するレジリエンスを高められると思います。個人的には、自前の自然観察会にこうしたアクティビティを取り入れることで、参加された方々が自分で自然の「おもしろい」を見つける力、すなわち観察力を高められるご利益があるなと感じました。

2.リラクゼーション効果

→ 1.に似た話ですが、ネイチャーゲームの多くは仲間を集めてやるものが多い一方、中には一人で取り組めるものがいくつかあります。たとえば、ご自身が「晴れた日に芝生の上に寝っ転がる」ようすを想像してみてください。たぶんほとんどの人が「察するにそりゃあ気持ちいいんでしょうね」と想像すると思います。実際芝生にただ寝転がるだけでも、日光を感じ、そよ風を感じ、芝の冷たさをすこし感じ、自分の筋肉がゆるんでいくのを感じるのでそれなりにリラックスしたキモチになります。ネイチャーゲームのプログラムの中では、寝転がるにしても感性を高めるコツ(感じ方の方向性とでも言うべきか)が示されているので、寝転がることで得られる気持ちよさがすこし発展します。「お腹におひさまの熱を感じますか?」「地面の形を感じますか?」「風の向きはどうでしょう?」と、指導員がセンスの使い方をそれとなく示してくれ、それに従うことで徐々に環境と自分との境目が曖昧になっていくような、自分が溶け出ていくような不思議な感じを得られます。こうした活動は音に特化したものなど他にも種類があり、慣れてくると一人でもできるようになるので、休みの日に近所の公園で試すことでいままで以上にリフレッシュできるのではと感じました。

3.整理されたプログラムとフローラーニング

→ ネイチャーゲームの一番すごいところは、ゲームを主催するノウハウが初心者から上級者まで共有しやすくなっていることです。100以上あるゲームはマニュアル化されていて、さらに参加者のエキサイト具合に応じて4つの段階に分類されています(フローラーニング方式)。ゲームのマニュアルは冊子になっていて、ゲームのねらい、対象年齢と人数、方法、気をつけるべきこと、リスク管理、自然へ配慮すべき点、先輩の失敗談などが書かれており、他の人に広めやすくなっています。またフローラーニングという考え方では「アイスブレイク的なもの」「ウォーミングアップ的なもの」「集中力を要するもの」「思考して発表しあうもの」(※これらはわたしの個人的な解釈です)に分けられていて、参加者ごとに異なるモチベーションや集中力、自然への興味にあわせたアクティビティを用意しやすくなっています。この仕組みから、ネイチャーゲームの文化では技術の継承や共有、そして初心者層をやさしく迎え入れることに対してものすごく力を入れているということが読み取れました。
 初心者でも、先輩たちが整理してきた情報にアクセスしやすくなっているので、天候のほか参加者人数、年齢層に応じたプログラムをセッティングするという自然ガイドにとって苦労しがちな部分の難易度をぐっと下げてくれるように感じられました。こうした情報の整理具合は書籍「シェアリングネイチャー」を読むだけでも漠然と理解できるのですが、今回講習会に参加することではじめて、まるで服に袖を通すように、整理されていることの意義について実感を得ることができたので、この点だけでも講習会に参加した価値はあったと思います。無知の知があったし、あらたなトビラを少しだけ開くことができたような実感があります。

ほかの参加者のみなさんもめちゃ温かいみなさんで、みんなで童心に戻って遊びまくることができました。そうした思い出も踏まえて、参加して良かったと思える豊かな2日間でした!


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