うちの母は勉強しろと言わない
「勉強しなさい!」「も〜今やろうと思ってたのに!言われたからやる気なくなった!」というあるある会話が存在するが、経験したことがない。
あまりにも上記の件があるあるなのに経験したことなかったから、母に「どうしてお母さんは勉強しろって言わないの?」と聞いたら、
「誰かに強制されてする勉強に意味なんてない。本人が必要を感じたら自ずとやるでしょ」と答えた。
確かに…と思って思いっきり勉強しない少年時代を送ってきた。
父から「鬱になった!」と元気なメールが届き、たまには電話するか〜と思って母に電話をかけた。
父ではなく母に電話をかけたのは、メールでは元気なだけで父が沈んでたら電話するのも申し訳ないなーと思ったからだ。
母に「パパどんな感じ?鬱って聞いたけど」と言ったら「今に始まった話ではない」とのことで、もう30年くらい前からずっと仕事が嫌なんだそうだ。
という話をしつつ、俺は俺で「週末の試験が嫌だよ〜」「最低でも毎日2時間は机に向かってるよ〜」と愚痴を吐く。
昔から反復練習が嫌いで、授業で習ったことを復習したり、ドリルで一度解いた問題を何回も解いたりということをしてこなかった。したことがなかった。
そんな俺に母は「反復練習しないと身につかないよ」とことあるごとに言っていた。
当時は何とも思っていなかったが、今思えば当然その通りで…。
というか「~しろ」と言われていないだけで「~だよ」とは言われてたんだな。俺が「しないよ!」と言ったらうるさく言ってこなかったけど。
で、母にそんな話をしてたら「あんだけ言っても反復練習しなかったあんたがねぇ」と驚かれた。
「いや~必要になったらやるもんだね~昔お母さんからも言われたけどさ~あれって本当なんだね~」と続けたら
母「そんなこと言ったっけ?」
…まーた始まった。ある程度の年齢になってから思ってはいたが、母は適当なことしか言わない。というかその場しのぎの「口」が異様に上手い。
これは中途半端に自分にも遺伝していて、俺もその場で耳障りの良い言葉を返すのが得意なほうだ。ただ記憶力が悪いので過去の自分の言葉と矛盾することが多い。
そんなことはどうでもよくて、
「昔お母さん『必要になったらやるでしょ』『人に強いられて勉強してもしょうがない』って言ってたじゃん」
「あーた 私が言ったこといちいち真に受けてるようじゃ まだまだだねぇ」
別にまだまだでもいいんだけど、
どうせその場で適当なこと言ったんだろうけど、
俺はその言葉に感銘を受けてここまでやってきたんだけど、
相変わらずうちの母は変だ。
それでこそうちの母だと思う。
ちなみに母の一番の変人エピソード(ここ数年編)は、
アパートのベランダで観察していた青虫が蛹になる為に上の階に行ってしまった際、わざわざ上の部屋の呼び鈴を鳴らして「うちの子来てませんか?」と尋ねたこと。
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