混沌の森 虎鶫
📌混沌の森
鬱蒼とした
森は
淀みと霞みの
混沌とした陰
僅かな仕草でも
森の毒に
纏わり憑かれ
染まってしまう
腐敗して逝く……の?
花咲く樹の上で
苦しくとも
声を枯らして鳴く
虎鶫に
囚われてる
陽が落ちてた…
今は心無い
ただ
澄まし聞く
耳に響く音だけ
聴いてるだけ…
📌虎鶫が鳴く夜
枯れ葉を踏む
乾いた足音
ただ
夜風に流され
森を歩く
陰に似た
寡黙さに
闇夜に惑う
枝の隙間から
見える
正体不明の眼光
不気味に
虎鶫が
警戒して鳴く
樹々達の
嘲笑い声が
森中に響き出す
虎鶫が
不気味に鳴く夜に
形の無い
陰が
蠢き這い摺り廻る
📌虎鶫の眼
水に浸かる瞳
孤独の中
虎鶫
泣いてるんでしょう?
今だけ
靴を
闇に捨てたい
きっと
そう夢物語
虎鶫が
鳴くから
気まぐれを起こす
蠢く蟲を
噛まれながら集め
虎鶫へ
なんて
置いておく
なんて野暮しないよ
頂戴が
口癖になる様に
素手で
手懐けながらの
餌付けよ