生命の花火
#生命の花火 ①
何も無い
夜道を歩いていると
目の前に
火の粉が落ちてきた
上を見ると
長く伸びた木々の枝が
赤い火花を散らして
燃えている
道の脇に
整然と並んだ木々が
赤い火花を道に散らす
其の道を
僕は歩いているんだ
生命の花火②
道を歩いていると
友達が木の上に登っていた
僕は驚いて声を出したから
友達が僕に気付いて言う
「ねえ此の枝って
花火みたいに燃えて綺麗だよねぇ
此の枝で十年分位の長さかな?」と
僕が止める隙も無く
生命の枝を躊躇いなく折ったんだ
生命の枝だと知ってて
折ったんだよ
生命の花火③
「何? 悪い事したみたいな
顔で見てんの?
大丈夫だよ
火は消えて無いから!」
友達が僕に言う
確かに折ってきた枝の火は消えずに
花火みたいに燃え続けていた
僕は友達に
「如何するの其れ?」
と聞くと友達は
「他の枝より短いから
接ぎ木してみようと思ってさ」
と言う
生命の花火④
チリチリと聞こえる
違和感に目をやれば
1本の枝だけ弱々しく
音が違う
短い枝が有った
触れた枝の
音に寂しさや哀しさを
感じるなんて…
変えられる運命なら変えてやれ!って
強さを手に入れて大きくなれって
此の手で
短い枝の姿を
変えてみたくなったんだ
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