黒狐の祠
📌黒狐の祠①
森に黒狐の
小さな祠があって
扉は赤い布で
結んで閉じているんだ
呪う人の名を書いた
木の札を祠の中に
置きに行くのなら
誰にも
姿を見られたら
いけないよ
黒狐が
悪戯をしに行くから
だけど…
強く呪いたい
相手ならば
草木も眠る
不吉な時間に行って
鬼に
願うと良い
📌黒狐の祠②
草木も眠る
森の丑三つ刻
森の樹々達が
枝を揺らし騒ぐ
夜行性の
鳥達が目を光らせ
伺う視線だ
森にある
小さな祠の前で
人間が
堪える様な震える声で
『鬼さんこちら~♪
手の鳴るほうへ~』
と歌って手を叩く
力の限り
手を握り締めてる姿に
深い恨みが
滲み出ていたよ