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あるイラストからの創作詩

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Twitterで絵を創作題にして書いた詩です 📌Twitterリンク先を貼ってあります
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#詩

裸足のままで…

裸足のままで もう少しだけ 眠らせて あと少し 眠らせて 此のソファーで 良いから 抜けない眠気が 感覚を狂わせる あと少しだけ もう少しだけ…

実直さを忘れ

少し肩の力を抜けば良い 眠りたい時に眠って 起きたい時に目覚める様に 柔らかな寝床で眠るんだ 偶には 何時も言ってる事と 逆の事を 言ってみたら良い こんな僕でも ちゃんと聞くから

薄暗い空      #藤丸

此処から 遠い薄暗い空を 見て居たんだ 雲は風に 流されるままに 遅く静かに渦巻いて 光が不安定に 揺れ動くんだ 鳥は姿を隠し 囀る事をしない 何も起こりはしなかったかと 気がかりで 薄暗い雲の隙間から 僅かに灯る 太陽の光の当たる場所を 見てるだけなんだ

歩調

手を伸ばせば 届くと思ってたんだ でもまだ 足場が低いみたいで まだまだ 登らないと 届かないみたいなんだ 足取りは 誰よりも遅いの 知ってるんだ 誰よりも知ら無いの 分かってるんだ でも 僕なりの 真っ直ぐな道なりなんだ

錆びた街

錆びて寂れた廃墟の街 足音だけが響く 高層の 朽ちた建物の狭間に 私は埋もれて居て 見えぬ空を 何時も見上げていた 朽ちた建物の 屋上まで行けば 空に近付けるのかな と登った 此処は無音だ─ 広いと聞いた空なんか無かった 旗を持って居ても 誰も気付かない 霧が全てを隠すんだ

靄の街

闇夜に薄く浮かび上がる 丸く白い靄の中に 灯りも音も無く 何も気配が無い様子に 廃墟の街かと 覗き込み 変化の無い世界に 興味を失う ランタンを拾い帰るかと 振り返り 離れて見ると白い靄は 髑髏の様で… そうか 此処は髑髏の街 建物と見えた物は 墓石の群れ 死に逝く者達の街なんだ

瓶の中

僕の世界は 燻んだ煙りのような雲が漂う 汚れた空で 陽が当たらず 全てが腐り朽ちて 消えてしまったんだ 幻の様に 此処に在る 瓶に詰め込んだ狭い世界 僕は眼が離せないんだ 栓を開ければ行けるのかな? 栓を開けなければ 瓶の世界は 汚れる事なく 変わらない 世界のままなのかな

meow

meowと 呼んでみたり meowと 鳴いてみたり meowと 唄ってみたり meowと 言ってみたり meowと 囁いてみたり meowと 呟いてみたり meowと 君に言ってみたりする

僕は塩で出来ていて 周りのモノ達が 僕の事を 辛いと言うんだ 嫌われる事を言うからかな 不愉快な言葉を使うからかな 僕自身に 自覚が有っても変わらないんだ 僕の身体は 元は海の水なのかな 深く暗い 海底を漂って居たのかな だったら 緩やかな言葉を 言えたら良いのに

ヒラリ、ヒラリと、舞う様に 明かりへ ヒラリ、ヒラリ、と 死を求め舞い踊る 散り際に魅せる 生命の儚さ 例え、捕まえたとしても籠の中 闇へと還って行くか 死出の旅路か 遺るのは 焼けた身と 焼け焦げた翅と 鱗粉の混ざった灰 遺った物の中に 美しさの欠片を見るのだ

何処にいても 私を探し出せる様に 蟲に私の血を垂らし 味や香りを覚えさせる 手に蟲を這わせると 細い針の様な棘の痛みが 中毒になりそうな痛みだ 蟲の棘が 私の肌を爛れさせ醜く膿んでゆく 膿が拡がり腐敗物の様な匂い 少しずつ 私の身体が壊死して逝く

茜色の空と世界の狭間で

此の世の 大地も空も 何もかもを焼き尽くし 空は熱を孕んだままでいて 青色に戻らず 焼け焦げた残骸と 灰に覆われた世界。 足を止めた旅人に "此の世界は寂しかろう" "灰の中では息苦しかろう"と、 誰かが雪を降らせるのだ

敗戦の街

もう武器は必要ない… 全てが燃え尽き 全てを失ったのだ 此処は敗戦の街 白い冷気が 私に冷たく吹いてくる 此の先の街も 炎に包まれ オレンジ色になっているのが 煙の中から透けて見えている だからと言って 此処に留まる事も出来ない 何処かに行けば 誰かに何かに会えるのか?

物語

常に、読み掛けの本を 枕元に数冊の重ね 続きがある事に 心踊らせながら 眠りに付くのが 幼い頃から癖になっていて 完結するのが分かっていると 中々、最後まで読む事をしない だからかな? 僕が書く物語も なかなか 終わりに出来ないでいるのだ 藤丸⤵️