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領域や限度を決めると 根が這う事ができず 咲くのは 此の1輪だけ 花が有る事を 誤魔化す様に 水の無い花瓶に 刺さっている 作り物の花は香りもしない 刻や状況で 変化して魅せ 表情を変える華々 手を掛ければ 美しさを保ち続ける
見えなくても気配は分かる だけど 此の眼で 表情を見れないのは もどかしい 歩き方や息遣いに 君の感情が透けて視える 皮膚が 部屋の様子を感じ取るんだ どうせなら 僕に 治る事の無い 酷い傷を付けれ良い 背中に押し当てた 君の手で皮膚を裂いて 僕の醜くい 心臓を刳り出せば良い
表情を見せぬ私達 白い仮面に 心情を捕らえようとする 白い仮面に 心情を捕らわれないようにする 言葉に混ざる 幾つかの感情が 心に沁み着いていく 此のモノトーンの世界で 手に持つ花に色を付けたのは 私の方だけだ…
「此の手の中に有るのは 林檎に擬態させた アナタの心臓よ 深い眠りにの中に居たから 心臓が失くなった事など 気付きもしなかったでしょう?」 と、炎に照らされ 表情を露にした女が 私に云うのだ
表情を隠し 俯いたまま座る。 声を出さない様に 顔を手で隠す。 近くに来た者に 「クスクス」と、 顔を手で覆ったまま笑う。 「クスクス」と また、笑う。
鏡や硝子に 映る自分の姿は 本当に、自分の姿か? 人の目に映る姿と 違って見えて無いか? 見なければ 気付か無ければ よかったのだ 無表情に過ごす自分に こうして 側に居てくれる人の 表情さえも 見え無くなるのだ